ポーランド法廷、ゲイの隣人を罵倒した女に損害賠償支払いを命ずる

ポーランドの裁判所が、ゲイの隣人に対し公然と「変態」または「オカマ」などの蔑称を用い続けた44歳の女性に、15000ズウォティ(約50万円)の損害賠償金を支払うよう命じたというニュース。

「人前で何度も罵ることで、隣人であるRyszard Giersz氏の尊厳を傷つけた」というのが裁判所の判断です。Giersz氏はこの判決を喜び、賠償金をこの女性から離れたもっと広いマンションへの引っ越しに使うかもしれないと述べているとのこと。一方、ポーランドの新聞Gazeta Wyborcza紙によると、賠償金支払いを命じられたAnna Sの方は「目撃者はみんな嘘つきだ」「この男が私を怒らせた。私は窓から物を投げつけられた」と言っているそうです。

検察によると、Anna Sがこの小さな町で公然とGiersz氏を「ペダル」(『変態』または『オカマ』の意。フランス語と一緒ですね)と呼び始めて以来、Giersz氏は「憎しみの雪崩」に遭うはめに陥ったとのこと。Giersz氏はパートナーと外を歩くたび、人々に悪口を言われたり、トマトや石を投げつけられるようになったそうです。Giersz氏は結局仕事を変えねばならなくなり、訴訟を起こしたら起こしたで今度はある男性から「万一勝訴したら、お前は殺される」と脅されたとのこと。

UPIによるとAnna Sは無罪を主張し、上訴すると言っているようです。しかし、仮に(あくまでも仮に)Anna Sの主張通りGiersz氏が最初に窓から物を投げつけたとしても、だからって彼の性的指向アウティングして町中の人から迫害させる理由にはならないはず。相手が同性愛者なら私刑にかけてもいいなんて道理はありません。ちなみにポーランドの法廷で同性愛者がこれだけはっきりと自分の権利を追求したのは初めてのことだそうで、同国の同性愛者の権利団体は今回の判決に快哉を叫んでいるとのことです。

単語・語句など

単語・語句 意味
abuse sb verbally 人をののしる
Unprecedented 先例のない