ロシアのゲイ・アクティヴィスト、オバマ大統領訪露に合わせたデモを断念

ロシアで2009年7月7日のオバマ大統領の訪露に合わせて予定されていた同性愛者の抗議活動が、参加者の安全を考えて中止されたというニュース。

この活動は同性カップルの権利拡大を求めるもので、当初、ロシアのアメリカ大使館前で行われることになっていました。が、モスクワ市当局は先週、この活動を禁止。その時点では、アクティヴィストたちは警察と衝突する危険を冒してでもデモを行う予定だと述べていましたが、7月6日、リーダーのニコライ・アレクセイエフ氏が正式に中止を発表したとのことです。以下、アレクセイエフ氏の言葉。


当局からの不当な禁止令に加え、米国のバラク・オバマ大統領の訪問にあたってロシアの首都で特別な措置がとられることを考えて、メンバーの安全への懸念から、このイベントを中止することを決定しました。
"In the context of another unlawful ban by the authorities on a public event as well as the special measures taken in the Russian capital during the visit by U.S. President Barack Obama, we have decided to cancel the event due to concerns over the safety of our members,"

苦渋の決断だったろうとは思うのですが、ただでさえホモフォビックなモスクワ市(参考:モスクワのゲイ・プライド・マーチ「スラヴィック・プライド09」で起こったことまとめ(追記1件あり) - みやきち日記)で、しかも要人の来訪中とあっては危険度も倍増しかねませんし、これは英断と受け止めていいのでは。

なお、モスクワ市当局がこのデモを禁止した理由は、

  • 他の団体が既に大使館前のエリアを使う予約をしているから
  • ほとんどのモスクワ市民がデモに反対だから

だそうです。1つ目はともかく、2つ目はなんだか変。「ほとんどのモスクワ市民」って、アンケートでも取ったんでしょうか。百歩譲って、実際にほとんどの市民が同性カップルの権利拡大運動に反対しているとしても、だからこそ必要なわけでしょ抗議活動って。最初から皆に支持されてるんなら、わざわざ大使館前で抗議を行う必要なんかないっつーのね。