リトアニア大統領、ホモフォビックな法に拒否権を行使
- Anti-Gay Law Is Vetoed by Lithuanian President
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先日お伝えした「リトアニアの議会、学校やメディアが同性愛について述べることを禁ずる法案を可決(追記あり) - みやきち日記」の続報。2009年6月26日、同国のAdamkus大統領がこの法に対し拒否権を行使したというニュースです。
先日議会が可決したこの法案は、「未成年者の成長に有害な影響を及ぼすから」という理由で、若者がアクセスできる場所および学校では同性愛・両性愛などに関する情報を提供してはならないとするものでした。「ホモフォビックないじめについての討論までできなくなってしまう」「ヨーロッパ人権協約、EU基本権憲章、世界人権宣言、子どもの権利条約などに反している」として既に多方面から批判を浴びているこの法案ですが、大統領が拒否権を発動したというのはありがたいことです。
ただ、リトアニアの法では、議会が大統領の拒否権を覆すことができるんですよね。UK Gay Newsの記事によると、法案が議会に差し戻されて71人の代議士が賛成票を投じれば、大統領はそれから3日以内にサインするより他ないのだそうです。ちなみに、先週の投票では賛成67票に対し反対はわずか3票、4票が棄権でした。これはかなり、崖っぷち的な状況なのではないかと。
また、そもそも大統領が拒否権を行使したのも、法案がホモフォビックだからというわけではなく、「何が若者に有害であるかについての定義がないから」という理由によるものだとか。大統領自身は昨日、
と発言しています。また、リトアニアのLGBTQ団体Tolerant Youth AssociationのVytautas Valentinavičius会長は、
「国際的な組織からのこの法に対する反対意見が私の決断に影響を及ぼすかどうかはわからない」
“I do not know whether negative opinion of the international organisations on this law will have any influence upon my decision.”
と述べています。
「今日(訳注:2009年6月29日)の[大統領官邸が発表した]声明では、大統領がこの議論の的になっている法律に拒否権を発動すると説明するくだりに、LGBTの権利についての言葉はひとつもなかった」
“There is not one word about LGBT rights in the statement issued today [by the Presidential Palace] where the President explains his decision to veto the controversial law,”
そんなわけで、とりあえず一旦は立法が食い止められたとは言え、手放しで喜べるような状況ではまったくないようです。さらなる続報が待たれます。
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単語・語句など
単語・語句 | 意味 |
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detrimental | 有害な |
deputy | 代議士 |