心に嫌悪を抱くことと、わざわざ弱者への差別や憎悪を扇動することってのは別モノだよねー

日本財団会長の笹川陽平氏が自身のブログで同性愛嫌悪的(と言いつつ、ゲイの話ばっかでレズビアンは完全に無視されてるんですけど)な発言をし、コメント欄での多数の批判を受けて謝罪記事を上げたものの、国内外のLGBT関連31団体から「LGBTに対する偏見を改め理解を深めるよう当事者との面会などを求める書簡」を送付されたとのこと。

以下、一連の流れを見ていて思ったこと。

同性愛嫌悪の話題になると、「何をどう言われようと同性愛は気持ち悪い。嫌いなものを嫌いと言う権利まで剥奪するのか」「何を書こうと表現の自由だ」などと鼻息を荒くするヘテロセクシュアルさん*1というのがいますが、そういう問題じゃないと思うんですよね。

心中ひそかに嫌ったり、理解できないと思ったりするところまではまだいいんです(嫌悪がなくなるに越したことはないけど、誰も誰をも嫌わない世の中なんて、実現不可能じゃない?)。でも、権力をがっちり握っている社会的強者(この場合だと、『ストレート』)の側が、わざわざマイノリティ(この場合だと、『同性愛者』)への嫌悪感を世界に向かって大公開して、差別や憎悪をさらに煽るという「行為」は問題だと思うんですよ。そんなもん、表現の自由でもなんでもなく、ただの一方的な暴力です。たとえ本人に、暴力だという自覚がなかったとしてもね。

今回笹川氏がヤチマったのは、要するにそういうことなんだと思います。氏の今後の対応に注目したいと思います。

*1:笹川陽平氏がそういうタイプだと言っているわけではありません、念の為。むしろ、批判を受けた元記事やコメントを削除せずにすみやかに謝罪文を上げられるなど、尊敬すべき点もあるかと。