映画『Mr. & Mrs. スミス』感想

観て来ました。というわけで、ネタバレ無しで感想を。

感想

予想通りスピーディーでコミカルな、楽しい映画でした。徹頭徹尾マンガ的なつくりに徹しているのですが、いくつかのシーンはマンガというよりむしろ寓話的な示唆に富んでいて興味深かったです。「夫婦のトラブル」をいうものを、派手なドンパチ入れた現代の寓話としてユーモラスに描くとこの作品になるのだな、と思いました。お約束シーンもたくさん出てきて満足満足。この映画を見て「リアリティーがない」と怒る人は、絵本で『シンデレラ』や『白雪姫』を読んでさえ「リアリティーがない」と怒るようなたぐいの人なのでしょう、きっと。そういうもんを求める作品じゃないんだってばよ。

万一好みに合わなかったときの用心に、「アンジー様の唇と脚さえ見れればいい」と己に言い聞かせて臨んだ作品なのですが、そんなわけで大変面白かったので幸せです。かんじんのアンジー様はと言うと、唇と脚のみならず乳や背中や手の甲の血管までもが全て魅力的でございました。はー、堪能した。

レズ的な感想

レズ的な感想として、とあるシーンを見ていてしみじみと思ったのが、
「こーんな無精ひげが生える生物(要するに『男』)に向かって『好き』とか『一生傍にいたい』とか思える女の人もいるんだなー。へええええ」
でした。

いや、ノンケさん的には当たり前のことなんでしょうけど、レズなあたしにとってはやっぱり不可解だし驚きなのですよ。自分より背が高くてゴツくて声低くて喉仏もあって野郎臭くて時々立ちションなんかもして朝起きるとひげが生えてる生物が、友達としてではなしに好きなのかー……。わ、わからん。本気でわからんぞ。だって女の子の方がちっちゃくて柔らかくていいにおいがして胸もあって可愛くて抱きしめると腕の中におさまっちゃって(以下延々と続くので略)

で、上記のようなことを思うと同時に、「ノンケさんがレズを見ると、これと同じぐらい『わからん』と思うんだろうなあ」とも思ったです。多分、お互いに、「わかんないけど、それはそれで別にいいや」とのほほんと構えて仲良くしていくのが共存共栄のコツなんでしょうねー。