スズキ君(仮名)の話

以下は人から聞いた話。伝聞なので実話かどうかは知りません。



日本人ゲイ男子スズキ君(仮名)は以前、とある外国に住んでいました。スズキ君はある日出席したゲイのパーティーで、アラブ系の男の子アフマド君(仮名)と仲良くなってお喋りしていました。
パーティーが行われていたリッチな家にはプールがあり、みんな自由に泳いでいいことになっていました。で、「ぼくらも泳ごう」と言ってスズキ君とアフマド君がプールに入ると、それまで泳いでいた人たちがみんな、サーッと水から上がっちゃったんだって。
おかしいなと思ってスズキ君たちがプールから出ると、みんなまた入る。スズキ君たちが入ると、みんな出る。人種差別なんです。オリンピック水泳選手に黒人がいないのと同じ理屈で、「有色人種なんかと同じ水に入れるか!」ってことなのよ。
それがあまりにも露骨なのでアフマド君はもう泣きそうになって「スズキ、もう帰ろうよ」と言ってたんだけど、そこで怒ったスズキ君、「何よこいつら! こうしてやるわよっ!」とばかりにそのへんにあった猫の死骸をプールのど真ん中に投げ込んだんだって。で、「ぎゃー」叫んで逃げまどう白人どもが全員プールから逃げ出した後で水の中に飛び込んで、ヤケクソになって「ははははは!」と笑いながら猫の死骸とともに泳ぎまくって、「ざまを見!」と言い放って帰ってきたんだって。

スズキ君偉い。よくやった。惚れそう。レズに惚れられても迷惑そうだけど。と思うと同時に、あたしにとってはBLNDは「猫の死骸をプールに投げ込む」ための場所でもあるんだなあと、この話を聞いて思いました。現実世界は「白人ばっかりが泳いでるプール」に近いけど、プールサイドでただ泣いてるのはムカつくもんなあ。