マイノリティですが、別に隠れてませんよ


# SkullHeadArmor 『いやまぁ全然関係ないけどマイノリティの人が偉そうに出来るインターネットってモノはとってもすばらしいものだなぁって思った。一回でいいから世間に向けてその意見言ってみろって思う。出来ないだろうけど。自分の所属を隠して偉そうに出来るインターネットは楽しいところだなーって思った!』

へいうまの「同性愛の人はかっこよすって失礼かしら??」に関連して書かれたコメントっぽいんだけど、面白いなあ。でも、「無意味な見下し」系のネタとしてはこれ↓に負けてますねー。
1 :名無しさん@そうだドライブへ行こう :2006/02/07(火) 23:39:46 id:z8VlXJBw2
車を運転してて一番腹が立つのはバイクですよね?
私が一番ムカツクのはバイクのクセに追い越しをかけてくるバイク。上下関係もクソもあったもんじゃない。
あとは車と同じスピードで走るヤツ。車線の真中を堂々と走っててしかも流れに乗って走られると抜きにくいんですけど・・・
抜かせないように嫌がらせをしてるとしか思えない。キープレフトで車が抜かしやすいように走るのがルールですよね?
実は私、バイクにぶつけられたことがあるんです。しかも2回。
右折待ちをしてたけどなかなか切れ目がなくて、バイクが来たからそこで曲がったんです。
そしたらバイクが止まらずにぶつけてきたんです。しかも子供が乗ってる助手席側を狙ってきたんですよ!
でも私の過失が9割。子供が乗ってる助手席のほうにぶつかってきたのに納得がいかない。殺意があったとしか思えない。
ファミレスに入ろうとした時にぶつけられたこともあります。
左折したらバイクが突っ込んできたんです。その時も子供が座ってる助手席に突っ込んできたんです!
右側の車線から左折したことを私が悪いように言うけど、それなら店の入り口を広くすればいいだけのことですよね?
しかし、子供が乗ってるほうに突っ込んでくるなんて頭がおかしいとしか思えない。
バイクは禁止したほうがいいと思います。
あと、「一回でいいから世間に向けてその意見言ってみろ」のくだりを読んで、「世間」とかいうオバチャン用語を素で使っちゃう人は太宰治↓を読むといいと思いました。
(それは世間がゆるさない。)
(世間ぢやない。あなたが、ゆるさないのでせう?)
(そんな事をすると、世間からひどいめに逢うぞ。)
(世間ぢやない。あなたでせう?)
(いまに世間から葬られる。)
(世間ぢやない。葬るのは、あなたでせう?)
人間失格太宰治より
さて、このへんで少し真面目な話もしておくと、オフラインでマイノリティから意見を言ってもらえない人というのは、要するに信用されてないんですよ。「世間(=自分)に向かって意見言え」ったって、ミットも構えずにふんぞり返ってる人やビーンボールを投げてきそうな人にわざわざボールを投げようと思う人はいないでしょ。信用できる人、メッセージを本当に伝えたい人に向かっては、マジョリティだろうとマイノリティだろうと、ネット上だろうとオフラインだろうと、真剣に意見を語るはず。それだけのことなんだけどなあ。

伝わるもんなんだなあ

こないだの日記に書いた『伝わる・揺さぶる!文章を書く』山田ズーニーPHP新書)であたしがいちばん感動したのは、最後の最後の部分です。本をひととおり読んでいって、最後のページを読み終えたとき、胸に直接ズシンと来ました。「見も知らぬ読者相手に、こんなにも力を振り絞ってメッセージを伝えてくれて嬉しい! ありがとう!」と思いました。ヘンな話だけど、嬉しすぎて涙までにじんできそうな感じだったんですよ。
で、今日、同じ作者さんの書かれた『理解という名の愛がほしい - おとなの小論文教室。II』河出書房新社)を読んでいたら、こんなことが書いてありました。

  • 『伝わる・揺さぶる!文章を書く』の最後の部分は、ズーニーさん自身の「根本思想」だった
  • 何度も何度も書き直して、これ以上書けなければ出版に間に合わないというところまで追い詰められた
  • ぎりぎりになって想いと言葉がぴたっと一致した瞬間、涙が出てきた。編集さんも泣いていた

「そんなにまでして書かれた部分だったのか!」と驚くと同時に、「そういうのって、伝わるもんなんだなあ」としみじみ思いました。何の予備知識もなく読んだのに、いちばん強烈に心揺さぶられる部分がそこだったんだもんなあ。
書き手が投げたコトバのボールの力がすごいと、受け手が何もしてなくても、とんでもなくいい音でミットが鳴るものなんですね。そして、受け取った側が驚いて、「この球はなんか違うぞ」とドキドキしたりするわけです。すごいな、こんな風にがっちり届くボールを投げられるようになりたいなあ。
というわけであたしの中ではしばらく「山田ズーニーさん祭り」絶賛開催中です。他の本も片っ端から読むぜ読むぜー。ほぼ日の「おとなの小論文教室」過去ログも全部読んじゃうぜー。