「同性愛を治療する」というふれこみの精神科医、同性への性的暴行で告発される

アパルトヘイト時代の南アフリカで「ドクター・ショック」(Doctor Shock)の名で有名だったカナダ人精神科医が、男性患者への性的虐待で告発されたというニュース。

この医師オーブリー・レヴィン(Aubrey Levin)は南アフリカの軍隊で1970〜1980年代に精神科医として働いており、同性愛を「治療」すると称して若い白人男性に電気ショックをかけたりホルモン剤を投与していたのだそうです。彼は15年前にカルガリーに引っ越し、カルガリー大学メディカル・スクールに勤務していました。そして先週、35歳の男性患者がレヴィン医師による性的行為を隠し撮りし、通報したとのことです。レヴィン氏は先週逮捕され、現在は保釈中。医業停止処分を受け、性的暴行の罪で告発されたとのこと。

この医師については既に他の患者からも30件ほどの苦情が出ており、また今回の事件が報道された後、さらに多くの男性が被害を報告しているそうです。現在、警察がそれらの申し立てを詳しく調べているとのこと。

なお、レヴィン医師本人は容疑を否認し、治りたがっている人に治療を施しただけだと主張しているそうです。

隠し撮りの内容がわからないだけになんともいえない部分はありますが、「ホモフォビアは抑圧された同性愛傾向と関係がある」という説(参考:Is homophobia associated with homosexual arousal? [J Abnorm Psychol. 1996] - PubMed result)を補強するような一件ですねこれは。この精神科医自身もホモフォビアの被害者だと考えることはできますが、だとしても彼がやったことは正当化されないでしょう。結局、誰よりも「治療」が必要だったのはレヴィン医師本人だったのではないでしょうか。で、それは決して自身の同性愛傾向を「治す」ことなんかではなく、認めて受け入れることだったんじゃないかと思います。