「映画『シャーロック・ホームズ』は『ブロークバック・マウンテン2』にはしない」ワーナー・ブラザース重役が発言

ワーナー・ブラザースの重役が、ロバート・ダウニーJr.とジュード・ロウ主演の映画『シャーロック・ホームズ』のホモエロティシズムを否定し、この作品を「ブロークバック・マウンテン2」にするつもりはないと発言したというニュース。

ロバート・ダウニーJr.とジュード・ロウはこれまでマスコミに対し、この映画のホームズとワトソンは「愛情のこもったロマンス」を持つことになるだろうと語り、物語に彼らなりのかすかな「ホモエロティシズム」を吹き込むつもりだと発言しているとのこと。ところが、PopEater.comによると、ワーナー・ブラザースの重役は彼らのそうした発言をよしとせず、


「スタジオはこの作品を『ブロークバック・マウンテン2』ではなく、アクションが詰まったアドベンチャー映画と位置づけたいと思っている」
"The studio wants to position this as an action-packed adventure, not 'Brokeback Mountain 2,'"

と言っているとのこと。

ホームズとワトソンの関係にかすかにただよう同性愛っぽさなんて大昔から指摘されてきたことで、今さら騒ぐことでもないと思いますけどね。別に無理やりゲイゲイしい話にする必要もないと思うけど、あんまり「アクションが詰まったアドベンチャー映画」とか強調されると、ヴィクトリア調の風情が消え失せたただの脳天気ハリウッド映画になっちゃいそうで、そっちの方が不安だわ。

もっとも、NYPOST.comによると、ダウニーJrとジュード・ロウによるこうした「ホモエロティシズム」発言にはさまざまな受け止め方があるようです。たとえば、映画評論家のMichael Medved氏は、「冗談に違いない」「ホームズとワトソンを同性愛者にしたら、興行収益の3分の2を失ってしまう」と言っています。一方、シャーロック・ホームズ・ジャーナルの編集者Roger Johnson氏は、コナン・ドイルの原作から、「ワトソンはいくらか女性にもてる男だが、妻には忠実」「ホームズは男性にも女性にも性的な興味を持たないAセクシュアル」と発言。スリラー作家のJason Starr氏はダウニーJrたちの発言を「新しい世代をひきつける」ものとして歓迎し、「もしコナン・ドイルが今日小説を書いていたら、登場人物をもっとずっと刺激的に描いていただろう」と述べているとのことです。

単語・語句など

単語・語句 意味
run scared 不安に駆られる
infuse (思想・信念などを)注入する、吹き込む、教え込む
ladies' man 女性にもてる男
undercurrents 底流、底意、考え