『アナと雪の女王』のレズビアン・テーマについて
Frozen(Blu-ray+DVD)北米版 2014 [Import]
- 出版社/メーカー: Walt Disney Studios Home Entertainment
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この話題は疲れるので敢えて避けてたんです。松たか子版の「ありのままで」の歌詞にひきずられて、何かケントー違いの解釈を披露してらっさる方が多いし。あと「本国ではこの映画は同性愛のテーマを持つと言う人もいたようだが、それはさておき」と、さておかれちゃってる人も見かけたし。
ふっざけんなよ。この映画で一番画期的なところはそこなんだよ。
でもねー、んなこた米国での封切りよりはるか前、「Let It Go」(イディナ・メンゼル版)の公式動画がYouTubeにupされたときから、わかる人には瞬時にわかってたことなのよ。ストーリーを知らなくたって、あれを観た時点でわかるよ。残念ながら松たか子版「ありのままで」だけじゃそこまでの理解は無理、歌詞の中身が違うから。でも、カンのいい人なら、映画本編を鑑賞した時点で、ストーリーの組み立てや各種メタファーから即座にこの作品が暗示するレズビアン・テーマ(またはゲイ・テーマ)を嗅ぎ取ったと思うの。何語で鑑賞しようとも、です。映画を観てもわからなかった人には、もう何をどう説明してもわからないだろうと思うし、だからこれまで何度かアナ雪の感想を書いても、セクシュアリティ関連のことには触れてこなかったのね。
でもなんかもうイライライライラしてきたんで、参考になる解説記事へのリンクだけ張っておくわ。
これ読んでもわからなかったら、もうどうしようもないと思う。
あと、エルサ役のイディナ・メンゼルの代表作が、ミュージカル『ウィキッド』であるのは絶対に偶然じゃないと思うのね。こちらもレズビアン・テーマが濃厚にコノートされた作品だから。参考になる解説はこちら。
こんなことを書いても、アナ雪を見て「男はもう要らないというのか!?」とか「内容がない」とか言ってる人々には、たぶん届かないと思う。特に、すべてのフィクションでヘテロだけが入念におもてなしされて当然だと(たとえ無意識的にでも)思い込んでいる皆さまには、どれだけ懇切丁寧に解説しようとピンと来ないだろうと思うわ。とりあえずマザー・テレサのこの有名なことばを贈っておこうかしら。
金持ちを甘やかす教会はたくさんあります。貧しき者のための、貧しき者を甘やかす教会がひとつあるのはよいことですよ。
"There are many congregations that spoil the rich; it is good to have one congregation in the name of the poor, to spoil the poor."
ヘテロを甘やかすフィクションは、もう星の数ほどあるんだから、そっち見りゃいいって話ですよ。アナ雪みたいなディズニー映画がようやくひとつ出てきたのは、とてつもなくエポックメイキングなことなんだよ。