『ママ2名、パパ0名』。あるレズビアン家庭のブログ記事がおもしろい

子どもが3人いるレズビアンのナディーン・C・ワーナー(Nadine C. Warner)さんがハフィントンポストに寄せた『ママ2名、パパ0名』(" Moms 2, Dad 0")という記事がとても面白かったので、ちょっとご紹介。

詳細は以下。

レズビアンカップルが子どもを持ったら、子どもが父親を欲しがる」だの、「他の子にいじめられる」だのと言ってる人は、全員上記リンク先を熟読すべきなんじゃないかと思います。

ナディーンさんの家には、養子が3人います。パパがいないことを子どもたちがどう考えているかというと、いちばん上のニックちゃん自ら弟にこう説明しているそうです。


「ママとパパがいる家もある。パパがふたりいる家もある。親がひとりだけの家もある。うちにはマミーとナナがいるんだよ」
"Some families have a mom and dad. Some families have two dads. Some families only have one. We have a mommy and a nana."

「ナナ」というのは、ニックちゃんが考えたナディーンさんの愛称。ナディーンさんとパートナーのロリさんが、自分たちを「ママとマミー」「ママとお母さん」「お母さん1とお母さん2」などばらばらに呼んでいてややこしかったため、ニックちゃんは2歳にして「ナディーン」と「ママ」を合わせて「ナナ」と呼び始めたのだそうです。

思うんだけど「子どもが父親を欲しがる」という発想は、大人が子どもに繰り返し「家にはママとパパがいるのが普通」「普通でないのは悪いこと」と教え込むからこそ出てくるんじゃないかなあ。今現在幸せで、世の中いろんな家族形態があってあたりまえだとわかっていたら、子どもは偏見持ちの大人たちほど「親が異性カップルであること」に執着しないんじゃないでしょうか。

ちなみにこの一家の周りの大人たちの言動はどうかというと、「推定無罪といきたいけれど、どうしても偏見に耳をそばだてざるを得ない」とナディーンさんは書いています。この家の子どもたちのひとりはアジア系なんですが、周囲の大人には、自分の子どもがアジア系を蔑むジョークを言ってもゲラゲラ笑っている人もいるそうです。また、わざわざ子どもたちの目の前で、この子たちはひとりいくらだと訊いてきた人もいたとか。「まるでわたしたちが中古子ども屋に行き、タイヤをいくつか蹴ってから、ここにいるモデルを買って帰って来たかのように」質問されたとナディーンさんは書いていますが、本当にひどいわ。

でも、そんな人ばかりでもないんです。子どもらが父の日にプレゼントできる男性はいるのかと気に掛けてくれた保育所の先生もいれば、大司教管区が送ってきた、ナディーンさんの家の家族構成をとがめる手紙をプリントアウトするのを拒否してくれた司祭さんもいるんだって。最高なのは、近所の遊び場でニックちゃんがたまたま出会った小さな子。「ぼくはママが2人いるんだよ」とまずニックちゃんが言ったら、その子はこう答えたんだそうです。


「ぼくはハムスターを飼ってるんだよ。見たい?」
"I have a pet hamster -- want to see it?"

いいなあ、もう。子どもって最高。

そんなわけで、大人が自分たちの偏見を子どもたちに刷り込まず、むしろ子どもたちの先入観のなさから謙虚に学ぶぐらいのつもりでいれば、ゲイ・ファミリーの子どもは別に何も困らないんじゃないでしょうか。ママが2人いるからって、それが何よ。あたしはむしろハムスターが見たいぞ。