ロシアのゲイ男性、「友人」にカミングアウトしたため拷問され殺される

2013年5月10日、つまりロシアの対独戦勝記念日の翌日、ヴォルゴグラードのアパートメントの中庭で、23歳のゲイ男性が死体で発見されました。殺害したのは被害者の「友人」2人で、一緒に酒を飲んでいるとき被害者からゲイだとカミングアウトされ、痛めつけて殺したとのこと。

詳細は以下。

この被害者男性の名前は公開されていません。死体には生きている間に拷問された形跡がありました。性器が切り取られ、ビール瓶でレイプされ、頭蓋骨も「石でたたき割られていた」らしいです。傷の状態がひどすぎて、警察は身元特定に苦労したとのこと。

まるで小林多喜二みたいな殺され方。意味がわからない方は以下を見てね。

なお、のちに逮捕された22歳と27歳の容疑者は、被害者がゲイで「挑発的な行動」をとったため、戦勝記念日を祝う愛国的な気持ちが傷つけられたから殺したと話しているそうです。捜査委員会ヴォルゴグラード支部のスポークスマン、ナタリヤ・クニツカヤ(Natalia Kunitskaya)氏は、APFに対し、この事件はヘイトクライムと思われると話しています。ちなみにGAY.RUによれば、ヴォルゴグラードでは2008年と2012年にも同性愛嫌悪による殺人事件があったと報じられているとのこと。

おりしもロシアでは、連邦レベルで「ゲイのプロパガンダ」を禁じる法案が2013年の第一読会で支持されたばかり。この法律が成立すれば同性愛についての教育すらできなくなり、知識もないまま憎悪と暴力だけがはびこるという最悪の事態が考えられます。「愛国的な気持ち」とやらを言い訳に同性愛者を攻撃する輩も、きっと増えることでしょう。この事件を「ロシアは怖いわねえ」と対岸の火事的にながめるっていうのは、あたしには無理だわ。