「“God hates fags”は死刑の宣告」マーガレット・チョウ、ミッシェル・ショックトを非難(追記あり)

バイセクシュアルのコメディアン、マーガレット・チョウが、フォーク歌手のミッシェル・ショックトがサンフランシスコでのライブ中におこなったアンチゲイ発言を強く非難しています。彼女の「神はホモを憎んでいる」(“God hates fags”)という発言は、「だから殺してもいいのだ」という発想にたやすくつながるもので、それはとても怖いことだとマーガレットは語ります。

詳細は以下。


あのさ、ミッシェル・ショックトには、本当にすっかりショックを受けさせられたわ。いったいどうなってんのよ!? クィア・アイコンだった人が、神がわたしたちを憎んでいると言うようになるだなんて、何もかもぞっとするわよ。ショックが癒えたあと、他のひとたちは超怒ってるってわかったけど、わたしはひたすら怖かった。
Well, Michelle Shocked, I am actually totally shocked. What the hell?! It’s freaky to me, the whole business of going from a queer icon to someone who would actually say that God hates us. When the shock wore off, I found people were super angry but I just got scared.

自分自身がクィアで、しかも有色人種(コリアン・アメリカン2世)であることから、ずっと恐怖の中で暮らしてきたとマーガレットは語ります。少しずつ少しずつその恐怖を克服してきて今があるのに、こういうことが起こると、またゼロからやり直さなければいけなくなってしまうと。

「神はホモを憎んでいる」(“God hates fags”)という発言の何が悪いのかについて、マーガレットはこのように書いていきます。


誰かが神はホモを憎んでいるというとき、だからわたしたちを殺していいんだ、わたしたちが死んでもいいんだ、だって神様が憎んでいるんだからってことになる、神は世の愛する力のはず、すべての人やものごとに愛を注ぐはず、いつでもどこでも唯一無二の存在のはず、もし神がわたしたちを憎んでいるなら、どうしてわたしたちは存在するのよ? それに、もし神がわたしたちを憎むなら、どうしてわたしたちをこんなにたくさん創られたのよ?
When people say that God hates fags, there’s this idea that it’s okay to kill us, it doesn’t matter if we die, because if God hates us, the supposedly one loving force in the world, the one who is supposed to love everyone and everything, the one, the only whatever whenever, if he hates us, then how are we to exist? Also, if he hates us, why did he make so many of us?

実はマーガレット自身がティーンエイジャーのとき、彼女と一緒にいるところを「てめえら、ファッキンなクソレズどもが」と叫ぶ見知らぬ男に襲撃されたことがあるんだそうです。ふたりはそのときビュイックに乗っていて、男は手に持った何かで車の後部を殴りつけ、「Buick」のエンブレムの「ick」部分がはじけ飛んだそうです。恐怖のあまり一度も振り返らずひたすら逃げたという彼女は、男が振り回していた凶器がいったい何だったのかすらわからなかったと書いています。
最後の2パラグラフは、すさまじい迫力です。


こんな風に脅されたら ― 逃げて。振り返っちゃだめ。ヒーローになろうとしちゃだめ。映画じゃないんだから。そこから逃げて。憎しみとホモフォビアは、けっして軽く見てはいけない。「神はホモを憎んでいる」という発言のもつ影響も、決して軽く見てはいけない。それは殺しのライセンスなんだ。死刑の宣告なんだ。笑いごとじゃない。OKじゃない。それがほんとうは何を意味しているのか知っているから、簡単には見過ごせない。

この発言の裏に潜む暴力と絶望はわたしを眠らせてくれない。70年代にうちの家族が経営していた書店の前で若いゲイ男性が殺されたときの悲惨な思い出と同じく、脳裏につきまとって離れようとしない。この男性は死ぬまで殴られたのだ ― 捕まりもせず罰も受けなかった加害者たちが、神はその男性を憎んでいると信じていたために。わたしは悪夢の中で、彼の歯が地面じゅうに転がっているのをみつけて、それを取っておこうとする、でも歯はわたしの手やポケットから落っこちつづける、彼は死んでいるのだからもう歯は必要ないんだとわたしは気づき、汗びっしょりで目をさます。わたしの叫び声で、家じゅうの人が起きてしまう。

If you ever are terrorized like this – RUN. Don’t look back. Don’t be a hero. It’s not like the movies. Just get out of there. Hatred and homophobia can never be underestimated. And the effect of someone saying “God hates fags” can never be underestimated either. It’s a license to kill. It’s a death sentence. It’s not funny. It’s not ok. It’s not something I can let go easily because I know what it truly means.

The violence and hopelessness behind the statement keeps me up at night and will haunt me just like the tragic memory of a young gay man who was murdered in front of my family’s bookstore in the 70s. He was beaten to death – because these men who were never caught nor punished believed that God hated him, and in my nightmares I find his teeth all over the ground and I try to save them and they keep falling out of my hands and pockets and then I realize that he is dead and has no use for them anymore and I wake up sweating, my screams waking everyone in the house.

ちなみにマーガレット・チョウはサンフランシスコ出身。両親が経営していた本屋も、サンフランシスコにありました。まさしくその同じ街で、ミシャル・ショックトは同性愛者へのヘイトを煽る暴言をぶちかましたんです。

ハフィントン・ポストによると、ミッシェル・ショックト本人は今回の騒動について謝罪し、自分の発言は誤解されていると言っているそうです。彼女によると、あれは自分以外の、同性婚についてそういう風に考えている人を描写したつもりだったんだそうですよ。でも当日ミッシェルと一緒にステージに上がっていた人の意見では、これらの発言は皮肉のつもりでわざと言ったようには見えず、彼女にはメンタルな問題があるように見えたとのこと。また、Examinerによれば、ミッシェルの暴言の後、会場の支配人が場内放送でライブは終わりとアナウンスしたんだそうです。にもかかわらずミッシェルは歌い続け、結局スタッフがマイクと照明の電源を切るはめになったとのこと。
もしも単に誰かの真似をしていただけなら、ここまで行く前に自分で説明するんじゃないすか。ツアーが全部キャンセルされてから「誤解だ」とか言い出すのは、お金が惜しいだけなんじゃないすか。

後からどんなに言い訳しようと、それで看過されうるようなことじゃないんですよ、もう。マーガレット・チョウの意見を、あたしは100パーセント支持します。

2013年3月21日20:36追記

Queertyが、ミッシェルの問題発言の音声とその文字起こしをupしています。これは「誤解」のしようがないわ。

途中からミッシェルの物言いがだんだん支離滅裂になり、映画に出てくる頭のおかしい(蛇を振り回して説教するような)伝道師みたいになっていくことがよくわかります。最初はギャグだと思っていた観客が途中から沈黙し、怒る人が出てくるのも。会場が電源切ってやめさせたのは正解だったよ、これは治療が必要なタイプの人だよ。