女性同士の「歴史的な結婚式」のクレイヴンさん、挙式1ヵ月後にがんで死去

少し前に、米国ミシシッピ州の新聞が地元初の女性同士の結婚式を「歴史的な結婚式」と報じ、抗議に負けずに記事を守り抜いたということがありました。2013年3月11日、この結婚式の花嫁のひとりであるクリスタル・クレイヴンさん(34)が、脳腫瘍で死去されたそうです。挙式から約1ヵ月後のことでした。

詳細は以下。

クレイヴンさんがステージ4の脳腫瘍を患っていることは、すでに「歴史的な結婚式」記事内でも報道されていました。式の最中彼女がカウボーイハットをかぶっていたのは、最近受けた手術の痕を隠すためだったとも。取材時にクレイヴンさんは、「もし化学療法が効かなければ、もうどうしていいかわからない」と話していたそうです。

バレンタインデーの挙式から1週間後、クレイヴンさんは新しい腫瘍が複数できていると告知されました。これ以上の化学療法は受けないと決め、3月11日に永眠されたのだそうです。

ふたりの結婚式の記事を守り抜いて以来、「ローレル・リーダー・コール」紙には世界中から購読申し込みが集まり、好意的な手紙やメールも、いやがらせの500倍来たそうです。この記事を書いた21歳の記者キャシディ・ブッシュ氏は、ピューリッツァ賞にノミネートされています

ブッシュ記者がこのカップルについて3月2日の新聞で書いた続報によると、クレイヴンさんの妻であるジェシカ・パウエルさん(24)は、「わたしの彼女への誓いは永遠です。死がふたりを分かつとも、です」と話しているそうです。この時点で既にクレイヴンさんは歩けないほど弱っており、パウエルさんは看病中でした。


「『この人はわたしの妻です』というのが大好きです」と、パウエル。「彼女はわたしのものだから、このことばが大好きなんです」
"I love saying, ‘this is my wife,'" Powell said. "I love that word because she is mine."

「わたしはもう既に、共にいるべき人とずっと一緒に過ごしてきています。そうするチャンスが一度もない人もいます。彼女と一緒に過ごした時間に感謝しています」
"I've already been with the person I was supposed to be with, and some people never get that chance. I'm grateful for the time I have spent with her."
こうしてみると、「ローレル・リーダー・コール」があの記事を断固として取り下げなかったのは、ほんとによかったと思います。あたしがパウエルさんなら、新聞一面をラミネート加工して壁に貼るよ。どうかクレイヴンさんが天国で安らかに憩われますように。