男性ロールモデル不在でも、レズビアン母に育てられたティーンにネガティブな影響はなし(米UCLAウィリアムズ・インスティテュート研究)

ちょっと古い(2012年)の研究なんだけど、必要だと思うのでご紹介。UCLAウィリアムズ・インスティテュートの研究で、「男性のロールモデルが不在でも、レズビアン母に育てられた17歳の子どもの心理的適応に悪影響は出ない」という結果が出たそうです。

詳細は以下。

この研究は、U.S. National Longitudinal Lesbian Family Study (NLLFS)という、レズビアンの母親が人工授精で産んだ子どもの心理的適応を調べる長期研究の一環としておこなわれたもの。調査対象となった子どもたちのうち、約半分が男性のロールモデルを持っていました。
男性ロールモデルがいる子といない子とを比較した結果、精神的な幸福度に差はみられず、ステレオタイプな女性らしさ(思いやりなど)または男性らしさ(競争心など)についても違いはなかったとのこと。ちなみに子どものジェンダーによって結果が変わるということもなし。つまり、男の子だろうと女の子だろうと、男性ロールモデルの有無とその子の幸福度には相関がみられなかったというわけ。

論文全文は以下からどうぞ。

特に男の子をレズビアンカップルが育てると、「父親不在ではかわいそう」「女々しい子になるのではないか」なんて心配する人が出てきますよね。でも、この研究によると本人たちは幸福で、しかも別に男性らしさが損なわれるってわけでもないらしいですよ。何の調査もせずに勝手な偏見だけでかわいそうがったり、ネガティブな将来像を決めつけたりするのは、いいかげんにやめてほしいものです。仮に何らかの調査でこの子たちの幸福度が低いという結果が出たとしても、それならどうやってサポートしたら幸福になれるかを考えるのが人の道だと、あたしは思うよ。