「ゲームにヘイトはいらない」 NYでLGBTゲームイベント「フル・スペクトラム」開催

2013年3月7日、先日紹介した、米ゲーム販売会社エレクトロニック・アーツ(EA)によるLGBTゲームイベント「フル・スペクトラム」がニューヨークで開催されました。

詳細は以下。

何はさておき、EAがイベント当日に公開したこちらの動画「Hate is Not a Game 」をまず見てください。

かわいくて、かっこよくて、そして思いっきり自由だよね。子ども時代からこんなゲームがやれたら、どんなに楽しかったか……!! べつに自分がLGBTじゃない人だって、小さいころからこういうゲームで遊んでいれば、若いヘテロカップルだけが「正解」であとはみんなダメみたいな固定観念を刷り込まれずに済んだかもしれません。

The Vergeの記事から当日のフォーラムの内容を要約してみると、こんな感じ。

  • 「(ゲーム業界は)白人男の産業、でもこれから変わると思う」by KIXEYEのカイル・ショー氏
  • EA、バイオウェアの作品を例に、ゲームにLGBT要素を盛り込むことのポジティブ面とネガティブ面を説明
    • Star Wars: The Old Republic』は『マスエフェクト』とは違い、特定の星でしか同性同士の恋愛ができなかった→「LGBTコミュニティを隔離し、ゲットーに閉じ込めている("ghettoizing" )」と批判を受けた
  • LGBTゲーマーの不寛容の問題
    • NoHomophobes.comTwitterで使われているホモフォビックな単語の数をリアルタイムでカウントし、その単語を使ったツイートを表示するサイト)をスクリーンに映して説明
  • ゲームにLGBT要素を入れたのはEAだけではない
  • 平等を妨げる障壁はいまだたくさん残り、その多くがゲームとは無関係
    • ゲーム産業が変化をけしかけるには?→「間断なく力を注げば、変化は可能。人の考えは徐々に変わり得る。国や社会も、変えることができる」byフォード財団のルイス・ユビナス氏

The Vergeのこの記事を読んでていちばん驚いたのは、『Star Wars: The Old Republic』への批判ですね。自分だったら特定の星だけでも同性同士でいちゃいちゃできればありがたがって伏し拝んじゃってたかもしれない、と思い、己の中にひそむ奴隷根性に愕然とさせられました。また、ゲットー化("ghettoizing" )というキーワードにも、思うところが多かったです。ひょっとしたら日本のオタク業界って、「BL」や「百合」をキーワードに同性同士の関係をゲットーに囲い込んでるんじゃないかしらと思ったり。日本にもこういうフォーラムは必要なんじゃないかなあ。

なお、ハッシュタグ#H8IsNotAGameで検索すれば、このイベントについての議論を追うことができます。ご興味がおありの方は、ぜひそちらもどうぞ。