『ジョジョの奇妙な冒険』第1〜7部感想メモ
ジョジョの奇妙な冒険 第1部 モノクロ版 1 (集英社文庫―コミック版) 荒木 飛呂彦 集英社 2002-02-15 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
Kindle Fire HDのおかげで、これまで飛び飛びにしか読んでいなかったジョジョを第7部まで一気読みすることができました。ものすげえ濃密な読書体験だったわ。まだ2回通りしか読んでないので詳細な感想は控えますが、現時点でのかんたんな読書メモ。
- 簡単にまとめると「ゴシックホラーで始まってロードムービー、冒険アクション、ご町内SFバトルなどを経て、『ジャンルは“ジョジョ”です』としか言えない境地にまで突入していく一大スペクタクル」ですねこれは。
- つーかだんだん「今週のびっくりどっきりスタンド展覧会」と化していくのに、それでも読者を引きずり込んで読ませ続けてしまうパワーがスゴイ。
- 巻が進むにつれて出てくるお話のほころびや矛盾点にも、「まあいっか」と思わされてしまうのは、(1)キャラ立てのうまさ、(2)テーマの力強さ、によるところが大きいかと。
- シャーロキアンのように作品の矛盾点や疑問点をいろいろ解釈・考察して遊ぶのがまた楽しい。
- ジョジョの奇妙な冒険 - アンサイクロペディアは意外と正しい。
- ジョースター一族のキャラのブレなさはすごすぎ。貴族から囚人まで、性格や社会的な立場はずいぶん違うのに、芯の部分が変わってない。
- 第1部で既に名言連発なところにびっくり。
- 第4部がいちばん好き。身近な街並みの中で不気味な事件(複数)が起こっていくゾクゾク感や、吉良吉影というシリアルキラーの強烈さ、そして仗助と億泰の愛すべきおバカさがよかった。露伴先生も好きです。
- 既にあちこちで指摘されてるみたいだけど、いわゆる「ジョジョ立ち」ってのはヴォーギングの一種ですよね。少年漫画というジャンルでそれをやってのけたところが、斬新かつ面白いと思います。
- 第5部の印象が妙に薄い。なぜだろう。
- シリーズ全体の不満な点は、女性キャラの描かれ方かなあ。波紋の師匠のはずのリサリサがただの「守られ役」で終わっちゃったりと、男性キャラに比べて平板すぎる気が。徐倫はかなりガッツもタフさもあるんだけど、アナスイやウェザーに頼る場面も多くて、やっぱりちょっと食い足りないと感じました。よく考えたら、アナスイが途中から男性に変わっちゃうあたりもきわめて象徴的ですね。
- ジョジョリオンを完結してから読むか、それとも既刊分から読んじゃうか悩み中。どうしよう。
- 『死刑執行中脱獄進行中』も早くKindle化してください集英社さん。