「なんちゃってレズ」という物言いを批判する人がいるけど、

「なんちゃってレズ」という物言いを批判する人ってのがいるけど、

  • 「自分はレズビアン」と主張するわりに、女性の恋人を「あなたとつきあっても結婚できない」だの「子供が産めない」だの「わたしたち将来はどうするの」だのと責め立てたり(つまり、ヘテロスタイルの恋愛関係&人生設計しか頭になく、『男性とつきあっていれば当然味わえる幸せをお前が私に一方的に与えるべき☆だって私は女の子だもーん』と思ってるってことです)(相手も同じ女だという発想が抜け落ちている、と言い換えてもいいかも)、
  • そのくせレズビアンセックスだけは存分に楽しんだり、
  • または、性的行為の内容をヘテロ女子の友人一同にいちいち触れ回って「こんなことをされた。気持ち悪い」などと嘲笑してたり、
  • そのうち適当な男がちんこ勃てて近づいてきたら渡りに船と飛びついていそいそ結婚したり(黙って二股かけてから乗り換える人多し)、
  • さらに「いつまでも女同士でつきあっていられるわけないでしょう」「人は(異性と)結婚するのが当たり前なんだからアナタも私の結婚を祝福すべき♪」などと笑顔で元カノに言い放てるような人たち

……に煮え湯を飲まされたことのない人って幸せねーとしか思えませんわ。あ、言っとくけどこれ全部実話ですからね。上記は、あたしやあたしの周りの女性同性愛者/両性愛者が「なんちゃって」と呼んでいるタイプの人々の、実際のエピソードをまとめたものです。

どうも「なんちゃって」の解釈に、人によって大きくブレがあるような気がするんですよね。この言葉を、「つきあう相手のジェンダーが100パーセント女性でない人のセクシュアリティを侮辱するものだ!」とか、「傲慢にも人の性的指向を他者が決めつけようとしている!」と受け止めて悲憤慷慨される方もいらっしゃるようですが、あたしの周囲の煮え湯飲まされ組には、そういう意味でこの語を使っている人はほとんどいないんですよ実際。

少なくとも、あたしやあたしの周りの女性同性愛者/両性愛者の言う「なんちゃってレズ」というのはつまり、「おめー女が好きだと言いながら、今現在ぜんぜん女が好きなんかじゃないじゃんかあああああ!!」という、血の涙を流しながらの叫び声ぐらいの意味ですね。こういう人に人生狂わされちゃうこともあるから、深いんですよ怒りと痛みが。「レズ」は差別語だから使うなというのならまだ議論の余地がありますが、そんなわけで、「なんちゃってレズ」という語の定義を明確にしないまま「この語は許せない」みたいに激怒されちゃうと、なんだかなーと思います。アナタの想定する「なんちゃってレズ」と、ワタシの思う「なんちゃってレズ」は、果たして100パーセント同じ言葉なんですかい?