台湾の同性愛者の5人に1人が自殺未遂経験あり


台湾でおこなわれた大規模調査で、同国のゲイとレズビアンの約5人に1人が自殺未遂の経験ありだという結果が出たそうです。この調査をおこなった「フレンドリー・台湾・アライアンス」(Friendly Taiwan Alliance)は、政府やメディアや一般大衆がこのような状況を作り出しているとして、教育制度や法制度の改善を呼びかけています。

詳細は以下。

この調査は、いくつかの同性愛者団体とトランス団体の連合である「フレンドリー・台湾・アライアンス」が2700名の性的少数者を対象に実施したもの。回答者のうち35パーセントがレズビアン、39パーセントがゲイ男性、20パーセントがバイセクシュアル、2パーセントがトランスジェンダーで、4パーセントが不明と答えているとの由。

調査の結果、同性愛者のうち約3分の1が自殺を考えたことがあり、約5分の1が実際に自殺をはかった経験があると答えたとのこと。また、5人に3人は暴言や孤立に苦しんでおり、23パーセントがゲイフレンドリーな情報源や18歳以下でのサポートを得られていないと述べ、68パーセントが社会からの結婚圧力に苦しめられていると答えたそうです。

ちなみに同国の教育部(Ministry of Education)には、2011年から小中学校の教育要綱に同性愛に関する内容を盛り込むという計画がありました。ところが実際にカリキュラムに組み込まれたのは、ジェンダーの平等についてだけで、同性愛に関しては「教師の評価基準」に取り入れられたのみ。つまり、子どもには教えられていないということみたい。「フレンドリー・台湾・アライアンス」は、これを宗教的な圧力のせいだと主張しています。一方、台湾の教育部(Ministry of Education)のスポークスパースンは、計画が完全に中止になったわけではなく、「一時的に延期された」のであると述べているんだそうです。

「一時的に延期」するのならその理由を述べるぐらいすればいいのに。情報の有無は、LGBTの子どもたちにとっては死活問題なんですから。以下、ちょっと前にうちの掲示板で話題になった、ゲイブロガーりょうたさんのこのことばをもう1回引用します。


僕が自分が同性愛者だと気づいて思い悩みはじめたのは中学生のころだ。
図書館に本はなかったし、授業でも教えてくれない。親には死んでも言えなかったし級友にはもちろんだった。
あれを人生の肥やしだとか人は悩んで大きくなったとか死んでも思いたくない。
純粋な時間の無駄だった。情報は必要なのだ。

自分もりょうたさんと似たような状況にいました。純粋な時間の無駄でした。大人になってからだって、同性愛者の友人で自殺してしまった人は複数います。やはり情報は必要だし、暴言やら孤立やら結婚圧力やらといちいち戦わされるのはもううんざり。そんなわけで、これはあんまり他人事とは思えないニュースでした。