マレーシア副首相、「LGBTのような性的指向障害」とに取り組むカウンセラーに資金提供すると告知


2012年4月4日、マレーシアのタンスリ・ムヒディン(Tan Sri Muhyiddin)副首相が、「LGBTのような性的指向障害」に取り組むことができるよう、カウンセラーに資金提供すると発表したそうです。

詳細は以下。

ムヒディン副首相によるとLGBT性的指向の障害であり、「以前は西洋社会が直面していた問題であったが今や我々の社会も直面している」ものだとのこと。また同副首相は「効果的なカウンセリングアプローチがあれば、この有害な現象が我々のコミュニティに広がることを阻止できると信じている」そうです。

ちなみに現代の精神医学では同性愛は「障害」とはされていません。また、さまざまな専門機関が、治せるという触れ込みの治療法には効果がなく、むしろクライアントにとって有害だと報告しています。いったいどんな「カウンセリングアプローチ」を用いて同性愛を「阻止」するつもりなんでしょうかこの人。

参考まで、以下U.S. FrontLine:アメリカ・日本・世界の政治・社会・経済情報速報ニュースサイトより引用。


「同性愛を『治療』しようとするな」〜米国心理学協会が精神療法士らに苦言
同性愛は心理療法によって「治療」したりできるような病気ではなく、「治療」して性的指向を変えようという試みはかえって害をもたらす――。米国心理学協会(APA)の専門委員会は8月5日、「同性愛者の性的な指向は変えられる」と信じる一部の精神療法士らの回復療法(reparative therapy)は誤りであり危険だとする決議を行った。
1960年以降に性的指向の改変に関し英語で発表された83の研究内容を精査した専門委員会によると、それらの研究のほとんどに方法論的な不備があったという。「しっかりした方法で行われた研究は極めて少ないですね」と、委員会を率いたジュディス・グラスゴールド医師は語り、「回復療法を支持する人々の主張とは異なり、心理療法を行うことで性的な志向が変わり得ることを示す証拠は見つかりませんでした」と結論づけた。
一部の宗教では同性愛の存在が認められていないため、信心深い同性愛者は、宗教の教えと自らの性的指向の矛盾に悩まされている。また、宗教的な精神療法士らは、同性愛者に必要なのは自らの性的指向の受容と周囲の理解であるにも関わらず、「同性愛は治すことのできる精神障害」だと主張して「治療」を施し、逆に鬱病をもたらしたり、自殺に追い込む場合もあるという。
ムヒディン副首相の提唱する「カウンセリング」には10万リンギット(約270万円)が投入され、それでも足りなければ「後でさらに追加する」んだそうです。何の科学的根拠もない行為にそこまでお金をつぎこむことに何の意味があるんでしょう。単なるLGBTいじめ、または自己満足じゃないの、それって。

ちなみにマレーシアでは同性愛行為は違法で、20年以下の禁錮刑となります。元側近と同性愛の関係を持ったとして起訴された同国元副首相のアンワル・イブラヒム氏が、今年1月9日に無罪判決を受けたばかりです。