英国でトランス男性が出産し、同国初の「男性の母親」に


英国で性別適合手術済みのトランス男性が出産し、同国初の「男性の母親」となったそうです。

詳細は以下。

これは「サンデー・タイムズ」が報じたもので、それによるとこの30代男性は2011年に帝王切開で赤ちゃんを産んだのだそうです。彼は性別適合手術のときに子宮を切除しておらず、ホルモン療法で子宮の機能をとりもどして妊娠出産したとのこと。

トランス男性の出産には先例があり、うちのLGBTニュースでも米国のThomas BeatieさんイスラエルYuval Topperさんについて紹介したことがあります。しかしながらだれもがFTMの妊娠出産に肯定的というわけではないようで、セントメリー大学の医学倫理ディレクターのTrevor Stammers氏は「サンデー・タイムズ」に対し以下のように語っているそうです。


「医師がこのようなことを助長したり奨励したりしているというのは深刻な問題である。結局赤ちゃんが幸福で生産的で最適な子供時代を送れることはほとんどないだろう」
“The fact that the medical profession is facilitating and encouraging this is a serious problem. You are hardly going to end up with a baby that’s going to have a happy, productive and optimal childhood.”

まるでインチキ占い師が呪いでもかけているかのごときお言葉ですな。あたしの目には、根拠も示さず(示せず)に人んちの子どもが不幸になると決めつけることの方が、よっぽど深刻な問題に映るんですけど。

Pinknewsのコメント欄のこちらの意見が秀逸でした。


アーノルド・シュワルツェネッガーが子どもを身ごもる男性についてのコメディー映画を作って大金を稼ぐのはOKなのに、人が自分の家族をつくることはダメなわけ?
It’s okay for Arnold Schwarzenegger to make a comedy film about being a man carrying a child and making millions out of it but not for people to create their families?

少数派がカメラの向こうの笑いの対象でいる限りは何も言わないが、現実生活で妊娠出産して家族を持つと文句をつけるというのは変ですよね。望まれて生まれたこの赤ちゃんが、めいっぱい楽しく幸せに育ってくれるよう祈っています。