北米ゲイ・アマチュア競技連合、バイセクシュアル選手の競技参加を認める


「チーム内の非同性愛者の選手数を制限する」という北米ゲイ・アマチュア競技連合(North American Gay Amateur Athletic Alliance)の規則をめぐる裁判が、2011年11月28日に合意に達し、同連合は今後バイセクシュアルやトランスジェンダーの選手数に制限を設けないこととなりました。これにより、裁判を起こしていたバイセクシュアルのソフトボール選手5人は、無事チームメイトと共にNAGAAAのトーナメントに出場できることとなります。

詳細は以下。

このソフトボール選手たちは、2008年にゲイ・ソフトボールの世界大会で戦ったサンフランシスコ・ゲイ・ソフトボール・リーグに所属しているとのこと。NAGAAAの、ノンゲイの選手数を制限するルールに抵触する恐れがあるとして参加資格を疑問視され、今回の裁判となったようです。

「ゲイ」と冠した団体の行うトーナメントで非同性愛者の選手数に制限を設けることは、はたして正か邪か。いろいろな意見があるでしょうが、あたしが思うのは、

  1. そもそも人間が同性愛者と非同性愛者にまっぷたつに分けられるものでもないのに、そこまで線引きしようとするのはナンセンス
  2. シスヘテロ社会から排除されたマイノリティーが、マイノリティー内でまた隔離政策(セグリゲーション)をやってどうする

ということです。それにだいたい、この5人がうけた仕打ちがひどいんだ。アメリレズビアン人権センター(National Center for Lesbian Rights)によると、彼らは1室に呼び出され、25人もの人の目の前で性的指向について質問されたのだそうです。委員会が5人のうち3人(全員有色人種)を異性愛者であると判断したため、チームが欠格となって、2位入賞という成績を取り消されてしまったとのこと。性というプライベートなことについてこんなにたくさんの人の前で喋らせること自体が問題だし、人のセクシュアリティーを第三者が判断することも、乱暴極まりないでしょう。この人たちは、こんなことまでしていったい何を守ろうとしていたんでしょうか。
裁判で合意に達したことにより、今後このチームはふたたびシリーズを戦うことができるようになったそうです。本当によかった。