映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』感想

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「原作は不死鳥の騎士団までしか読んでない」「映画は全部見てるが、『死の秘宝 PART1』の内容はうろ覚え」という状態で見に行ったのですが、じゅうぶん楽しめました。特に、モリー・ウィーズリーやネビル・ロングボトムの活躍がよかった! こういう地味キャラの見せ場ががっつり作ってあるというのは、嬉しいですね。あたしが原作を途中から読まなくなったのは、ハリーが単に自分の「生まれ」だけで尊敬されたり敵を倒したりしているのに、途中からその功績を鼻にかけているように見えだしてしまってげんなりしたからですが、幕引きがこれならすごく納得。なんというか、ハリーがひとりでヒーローよろしくラスボスを倒すというお話ではないんですね。もっと泥臭くて痛みをともなう、いわば総力戦なんですよ。

見せ場という点では、ホグワーツの教職員のみなさんもよかったなあ。一見冴えないおじさんおばさんばかりなのに、いざというときにはみな勇敢で、頼もしくて。個人的にもっとも目をうばわれたのは、とある重大な呪文を使ったあとで茶目っ気あふれる台詞をつぶやくあの先生です。ただし、インパクトという点では、「最終話なのにハリーよりいいところを全部さらっていった(うちの彼女談)」とある先生の勝ちかも。結局このシリーズ全体が、この人のためにあったのではないかという気さえします。

クィディッチ場や組分け帽子、あばれ柳など、見覚えがあるものがさりげなくしかし次々に登場するところも心憎かったです。何年もかけて作り込んできた世界観の分厚さが今ここに、てな感じで。しばらく映画版の他作品を見返したり、未読の原作を読んだりしてたっぷり反芻しようと思っています。