"Remember you have power here...and here!" - シンディ・ローパー ジャパンツアー2011に行ってきました

昨日(3/15)は、「シンディ・ローパー メンフィス・ブルース ジャパンツアー2011」の初日でした。さすがにこの震災&原発事故まっただ中では中止されるだろうと思ってたんですよ前日までは。が、当日電話で問い合わせたところ「全国規模での電力規制、その他の緊急事態」がなければ、予定通りにツアーを行うとのこと。しかもシンディ自身の強い意志で、会場には義援金の募金箱が設置されると聞き、中京大学市民文化会館オーロラホールまですっ飛んで行きました。

コンサート、すごくよかったです。演目は"Just Your Fool"、"Shattered Dreams"など、新譜『メンフィス・ブルース』の曲を主体に、"She Bop"などのおなじみのヒット曲(の、斬新なアレンジバージョン)を織り交ぜるというもの。親日家のシンディのこと、MCではやっぱり震災の話も何度か出たのですが、もっとも印象的だったのはアンコールの"True Colors"の最中の語りでした。右手を突き上げて、


「みんなに力を」
"Power to the people."

と言った後、


「みんな、ここ(と胸を指す)と……ここ(と頭を指す)にパワーを持っていることを忘れないで!」
"Remember you have power here...and here!"

と言ってくれたんですよ、シンディは。"True Colors"の歌詞とあいまって、直球で胸に来る来る。

"True Colors"っていうのは、基本的には「自分の本当の姿を出せずに苦しんでいる人に寄り添う歌」です。でも、こうしてみると、特に2番の歌詞なんて今の状況にぴったり。災害で日本中がこれ以上ないほどの不安を抱え込んでいる中、歌詞通り"I'll be there"とばかりに現れて元気づけてくれたシンディに、深く感謝します。

ちなみに募金箱ですが、わりと早い時間に着いたのでid:nakamurabashiさんの「見せ金」作戦を見習って率先してお札を突っ込んでみました。帰りに見たら、他にもお札を入れた人がいっぱいいたようです。もっともこれは、単純にファン層の大人率が高いからかもしれないし、曲に感動した人が気前よくお金を入れて帰ったせいかもしれませんが。いずれにせよ、いろんな意味で行ってよかったです、このコンサート。

追記(2011年3月19日)

3月18日には東京公演も無事行われ、シンディ自ら募金箱を持って義援金を集めたとのことです。


米歌手シンディ・ローパー(57)が18日、東京・渋谷オーチャードホールで来日公演を行い、被災者への義援金を呼び掛けた。終演後、来場していた歌手のイルカ、森口博子、クミコらとロビーに立ち、自ら募金箱を抱えて、「ひとり一人の力は小さいけれど、集まると大きな力になる。少しでもいいから力を貸してください」と何度も頭を下げた。今回の来日公演ツアーの前に東日本大震災があり、公演開催が危ぶまれたが、名古屋からツアーをスタート。会場の安全確認が取れたことと、シンディ自身が「長いキャリアの中でも日本は初来日から大歓迎してくれて、支えてくれた国。私はその人たちに背を向けることはできない」と開催を望んだため予定通り行われた。この日、募金活動に加わったクミコは、大震災当日、公演会場の宮城・石巻市で被災。「まだ残っている方々を思うと心が痛む」と話し、シンディから「大変だったね」と声を掛けられ涙ぐんでいた。