『放浪息子(11)』(志村貴子、エンターブレイン)感想

放浪息子 11 (ビームコミックス)放浪息子 11 (ビームコミックス)
志村 貴子

エンターブレイン 2010-12-24
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二鳥くんの胆力と諦念、そして進みゆく第二次性徴

女の子になりたい女の子、二鳥修一くんの物語第11巻。お話の進行はゆるやかですが、二鳥くんの肝の据わり方がかっこよかったです。ただ、その裏にほの見える諦念がなんとも痛々しいのも事実。容赦なく進んで行く第二次性徴にもハラハラさせられます。
今回もっともインパクトあったのはP. 171の二鳥くんの台詞でした。セクマイとしては、いつか使ってみたいわ、あの台詞。あと、ユキさんが修学旅行について何気なく口にすることばの数々も胸に響いたなあ。そんなこんなで、ふんわりした空気の中にもチクチクズキズキ刺さってくるもんがあるという、いつもの『放浪息子』でした。早いとこ、二鳥くんが何らかの光明を見いだすようなエンディングにたどりついてくれるといいな。