文庫版『白蝶花』（宮木あや子、新潮社）は2010年9月29日発売

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戦前・戦中・戦後の日本を舞台に、5人の女たちの愛と悲しみを描く『白蝶花』の文庫版です。百合（というかエス？）ありヘテロ恋愛ありの物語。新潮社公式サイトで、内容が少し試し読みできるようになってるんですが、あの

和江の爪が千恵子の舌を、がり、と擦る。千恵子は鳩尾のあたりを、絹糸でぎゅっと引っ張られる感じがした。痛みは甘美に痺れ、足の指の先まで駆け巡る。
「どうして嫌がらないの？」
指を口の中に入れたまま、和江は尋ねた。指が口の中にあるので、千恵子は喋れない。
「嫌じゃないの？」

の場面がしっかり入っていて嬉しかったです。