2010年9月24日より、LGBT映画祭「Q! フィルムフェスティバル」がインドネシアでスタート

インドネシア共和国で、2010年9月24日(金)より1ヶ月の間、LGBTテーマの映画祭「Q! フィルムフェスティバル」が開催されます。これは2002年から続いているイベントで、アジア最大にしてイスラム圏で唯一のLGBT映画祭なのだそうです。今年は150本以上の映画上映と、セクシュアリティ関連のイベントの他、インドネシア・ゲイ文学の英語アンソロを編むという企画も予定されています。ちなみに日本の映画も何本か上映される予定だそうです。

詳細は以下。

「Q! フィルムフェスティバル」公式サイトはこちら。

イスラム教徒が大多数を占めるインドネシアでは、今年、ILGA(国際ゲイ・レズビアン協会)の会議がキャンセルされたり、IDAHO((ホモフォビア・トランスフォビアに反対する国際デー)イベントの開催許可が脅迫によって取り消されたりという事件が起こっています。「Q! フィルムフェスティバル」も、最初の2年はイスラム原理主義者から脅迫されたり、映画館が火をつけられるだろうと噂されたりしたそうです。オーガナイザーは外国の大使館やゲーテ・インスティトゥート、オランダ文化センター、Central Culture Francaise、国際交流基金(ジャパンファウンデーション)などと連携をとり、映画祭を国際的なものにすることで、このような圧力を相殺しているとのこと。観客動員数は2002年からずっと増え続けており、昨年は約2万人だったそうです。

ちなみに今公式サイトをざっと見てきたところ、上映予定の日本映画はこのへんみたいです。

  • SANDATSU(Iwasa Hiroki監督)
  • PACHIGI I(Izutsu Kazuyuki監督)
  • PACHIGI II (Love and Peace)(Kazuyuki Izutsu監督)
  • PYUUPIRU 2001 - 2008(Daishi MATSUNAGA監督)
  • KIRA KIRA HIKARU (Cahaya Kepagian)(Yoji Matsuoka監督)
  • THE FAMILY COMPLETE (Kazoku Complete)(Imaizumi Koichi監督)

インドネシアLGBT団体「Arus Pelang」のスーパーバイザー・Oeyさんによると、この映画祭の参加者の少なくとも30パーセントが非LGBTなんだそうです。これはLGBTコミュニティへの知識を深め、LGBTに付与されたネガティブなスティグマを取り払うためには良いことだ、とOeyさんは語っています。

イスラム擁護戦線が鉄の棒を振り回しながらLGBTの集まりを襲撃しに来る国でこれだけのイベントを続けるというのは並大抵のことではないはず。しかも、そこでアジア最大規模の映画祭をやってしまうなんて。この行動力、見習いたいです。

単語・語句など

単語・語句 意味
Erasmus Huis オランダ文化センター