米上院、"Don't ask, don't tell"政策撤廃を否決。クリントン元大統領は同政策に後悔の意を表明
2010年9月21日、米上院で、「同性愛者の兵士が性的指向を隠さなければ除隊する」という"Don't ask, don't tell"政策(DADT)の撤廃が否決されました。かつてDADTを導入したクリントン元大統領本人は、この政策を導入したことに後悔の意を表明しているそうです。
詳細は以下。
- 米上院、同性愛者の兵役規制撤廃を否決 国際ニュース : AFPBB News
- Bill Clinton regrets 'don't ask, don't tell' policy, says it was meant to protect gay soldiers
以下、AFPより引用。
【9月22日 AFP】21日の米上院本会議で、同性愛者の兵役禁止規定の撤廃条項を付記した国防権限法案の審議を求める動議が提出されたが、賛成56票、反対43票で、可決に必要な60票に届かず、動議は否決された。米軍では1993年から、同性愛者であることを公言しない限り入隊を認める「聞くな、言うな(Don't Ask Don't Tell)」政策を採用している。同政策のもとでは、同性愛者であることを隠すことを強要され、隠さない場合は除隊となる。(引用者中略)
同法案を上院で再度動議にかけることは可能だが、中間選挙が間近に迫っていることから、それ以前の可決の可能性は限りなくゼロに近づいている。(c)AFP/Emmanuel Parisse
なおAFPによると、世論調査では国民の圧倒的多数がDADT撤廃に賛成している一方、国防総省の調査では海軍兵士の大部分が撤廃反対なんだそうです。専門家は、DADTは兵士の市民権を侵害し、米国の安全保障に支障をきたしていると言っているとのこと。
ちなみにこのDADT政策は、クリントン政権下で導入されたもの。NY Daily Newsによると、当のクリントンは、DADTが導入時の思惑とは違うものになっているとし、導入を後悔していると語っている模様。
クリントン元大統領によると、DADTが採用されたのは、そうでもしなければ下院・上院の両方が同性愛者の兵役を完全に禁止するという状況にあったから。しかも、
「コリン・パウエルが私に'don't ask, don't tell'を売り込んだとき、彼は言っていたのはこういうことです。『同性愛者の軍人は、制服さえ着ていなければ、ゲイバーに行ったり、ゲイの権利を訴えるパレードで行進したりしても何も問題ないということになるだろう』」とクリントンはCBSに語った。「それは実際に我々が手にした"don't ask, don't tell"とは非常に異なっています」
"When Colin Powell sold me on 'don't ask, don't tell,' here's what he said it would be: Gay service members would never get in trouble for going to gay bars, marching in gay rights parades as long as they weren't in uniform," Clinton told CBS. "That's a very different don't ask, don't tell than we got."
とうことなんだそうです。確かにずいぶん現状とは違ってますね、これは。
DADT廃止は、オバマ大統領が一般教書演説で約束したことでもあります。いつになったら実現されるんでしょうか、一体。
おまけ
Sexual orientation and military service - Wikipedia, the free encyclopediaによると、現在同性愛者の軍隊勤務を公に認めている国は以下の通り。