デンマークで10代若者の同性愛嫌悪が悪化

デンマークで、10代の若者による同性愛者へのハラスメントやヘイトクライムが増加しているというニュース。

かつては公の場で手をつなぐゲイ男性を罵るのはもっと歳がいった人たちだったのに、今では若者も負けず劣らず不寛容になっているとのこと。

「ゲイとレズビアンのためのデンマーク全国連盟(Danish National Association for Gays and Lesbians)」のKenneth Engbergさんは、「同性愛嫌い」の新たな世代が生まれていると言っているそうです。10年前には若者の持っているステレオタイプをくつがえすためのキャンペーンが学校でさかんに行われていたのに、そのような動きがなくなって以来、10代によるヘイトクライムが急激に増えたとのこと。

ちなみに若者による同性愛嫌いが顕著に見られるのはフェイスブックで、「同性愛者は実在しない」と主張するグループもあれば、「同性愛者が嫌いな人」向けのサイトも作られているとか。

また、コペンハーゲン市議会差別センター(Copenhagen City Council discrimination centre)は、暴力や言葉による攻撃をうけた同性愛者からの通報を、1日に2件の割合で受けているそうです。2009年の秋だけで計208人の同性愛者からの通報があり、うち95人は肉体的暴力を受けているとのこと。市議会は現在、若者の同性愛者に対する態度を改善するために、学校でキャンペーンやクラブを始めようと計画しているところだそうです。

デンマークって、1980年代に世界に先駆けて同性同士の登録パートナーシップ制度を発足させた国ですよね。最近では、登録済の同性カップルの養子迎え入れについて、既婚異性カップルとまったく同等な権利を認めたりもしています。そんなわけで同性愛者の権利については先進国のイメージがあったんですよ個人的には。そんな国でさえ、ちょっと教育に手を抜くとこれですか。こういうことって、本当に終わりがないんだなと思います。