フィリピン最高裁、同性愛者の政党の出馬を認める

2010年4月8日、フィリピン最高裁が、同性愛者の権利を訴える政党が5月10日の選挙に出馬する権利を認めたというニュース。

この政党の名前は「Ang Ladlad」。「カミングアウト」という意味だそうです。フィリピンの選挙管理委員会(Comelec) は11月、モラルに抵触するという理由で、この党が選挙に参戦することを禁止していました。しかし最高裁は今回、同性愛は犯罪ではないとして、ComelecにAng Ladladのからの立候補を認めよと命じたとのことです。

判決では、カトリック教徒の多いフィリピンでは同性愛者に眉をひそめる地域もあるとしながらも、


「それでもなお、フィリピンは同性愛行為の違法化を適当とはみなさない国なのである」
"Nonetheless, we recall that the Philippines has not seen fit to criminalise homosexual conduct,"

と言い渡されたそうです。

「モラル」とやらを理由に参政権まで奪われてしまうのでは、たまったものではありません(そもそも世界中の異性愛者の政治家たちが、どれだけモラルにかなった行動をしてるって言うのよ?)。そんなわけで、あくまでも法に照らしてこの党の出馬する権利を認めたフィリピン最高裁は立派だと思います。それと同時に、「選挙で立候補する」という当たり前の権利さえ最高裁で戦わなければ認められないなんて、同性愛者ってどんだけ立場弱いんだろうと軽く絶望。どんな分野でもそうですが、マイノリティであるということは、スタートラインがマジョリティより何メートルも(何十メートルも?)後ろに設定された100メートル走を走らされるようなものなんでしょうね。スタートラインにたどりつくまでがまず大変すぎる。

単語・語句など

単語・語句 意味
nonetheless それでもなお、それにもかかわらず
see fit to do 〜するのが適当と思う、適当と思って…する