BBC、視聴者がBBCでの同性愛者/両性愛者描写をどう思っているか調査すると発表
2010年1月22日、BBCが、同社のテレビやラジオやウェブ上での同性愛者や両性愛者の描写が視聴者にどう受け取られているか調査すると発表したというニュース。
BBCは特別調査委員会を設置し、視聴者グループの調査とオンライン調査をおこなうとのこと。調査委員長のTim Davie氏によると、調査対象には異性愛者グループや宗教団体なども含まれるそうです。「受容的な視聴者層と、そうでない視聴者層の両方と話すことが重要」と彼は語っています。
BBCがこうした調査に乗り出すのは初のことで、夏には結果が発表される予定だとのことです。なお、調査結果は、すべての番組制作者に配布される予定だそう。
ううむ。こうしたリサーチがおこなわれること自体はとてもいいことだと思うんですが、個人的にちょっとひっかかる点が2点。まず、BBCはもともとさほどゲイ・フレンドリーとはいいがたい企業だということ。元記事でも触れられてますし、うちの日記でも紹介しましたが、昨年12月には「同性愛者は処刑されるべきか?」なんて物騒な見出しのディベートをやらかして批判を浴びたりしてるんですよね、この会社。これを機に企業体質を改善しようということなのかもしれませんが、どこまで信じていいものか。
もうひとつは、同性愛/両性愛に不寛容な層に「当社でのゲイやレズビアンやバイセクシュアルの取り上げ方をどう思いますか?」なんて訊いて意味があるのかということ。マイノリティの扱いをどうするべきかは、マジョリティではなくマイノリティに訊くべきなんじゃないの。たとえば保守的な宗教グループから「あんな罪人どもを好意的に取り上げるのはけしからん」みたいな声が返ってきたとして、それをどうやって今後の運営方針に生かすのか疑問に思います。いや、ひょっとしたら「同性愛嫌いの人々に必要以上にショックを与えない表現の仕方を探る」みたいな意図もあるのかもですが。
とりあえず、夏に出されるという調査結果待ちかなあ。なお、BBCによるオンライン調査のページはこちらです。ご興味がおありの方はご一読を。
単語・語句など
単語・語句 | 意味 |
---|---|
arguably | ほぼ間違いなく、議論の余地はあるが |
munter | an ugly woman |
minger | an unattractive or unpleasant person or thing |
working group | 特別調査委員会 |
qualitative | 質的な |
quantitative | 量的な |
undertake | 〜に着手する、取りかかる |
press briefing | 記者会見 |
portrayal | 描写 |