リトアニア、ホモフォビックな法律を改定

リトアニア議会が、EU*1アムネスティ*2から反対されていた、同性愛の「宣伝」を禁止する法律を改定したというニュース。

これは同性愛を宣伝しているとみなされるあらゆる情況提供を禁止するという法律で、来年3月から発効することになっていました。この法の下では、学校や、青少年が利用できるメディアで同性愛と両性愛についての情報提供を行うことは一律禁止。アムネスティはこの法律を、性的指向ジェンダーアイデンティティに関する人権運動や、LGBTの性にかかわる健康情報の提供や、ゲイ・フィルムフェスティバルおよびプライド・イベントなどをオーガナイズすることも処罰の対象とするものであるとして警告を発していました。

2009年12月22日、同国議会はこの法を改定し、「未成年者への性的虐待、未成年者同士の性的関係、その他の性的関係を助長する」ことを禁じるものに改めたとのことです。ダリア・グリバウスカイテ大統領のスポークスマンは、AFPに対し「この法律は欧州の基準に適合している」と語っているそうです。

ただし、改訂後の法律でも「憲法に定められたもの以外の家族のコンセプト」を宣伝することは禁じられており、リトアニアのゲイ権利運動家からは、結局プライド・マーチのようなLGBTイベントは禁止される可能性があるのではないかという声が上がっているとのこと。リトアニアン・ゲイ・リーグ(Lithuanian Gay League)のVladimir Simonko会長は以下のように述べています。


「今後は、私たちが公に行うどんなイベントもこの条項に当てはまり得るし、禁止され得ます」
"From now on, any of our public events could fall under that clause and be banned."

法律の言い回しを変えたところで、その法の運用次第でいくらでもLGBTを弾圧できるようじゃ、少しも「欧州の基準に適合して」はいないと思うんですけどね。結局、EUの一員になるというメリットは捨てたくない、しかし同性愛は取り締まりたい、という矛盾した欲望をかなえるための小手先の改定なんでしょうか。EUから見捨てられたくないなら、大統領が今年6月にこの法案に拒否権発動したとき素直に廃案にしておけばよかったのに、そこまでホモフォビアが大事かリトアニア

単語・語句など

単語・語句 意味
dissemination 普及、伝播、浸透、宣伝