ウガンダの反同性愛法「悪質な同性愛者は死刑、同性愛者を通報しない家族と友人は最高で懲役7年の刑」

ウガンダの国会議員、「『悪質な(aggravated)同性愛』は死刑に」と主張 - みやきち日記の続報です。

このウガンダの通称「ゲイを殺せ」("Kill Gays")法案ですが、同性愛者のみならず、同性愛者を擁護する者にも厳罰を科すという内容が盛り込まれているとのこと。同性愛者を当局に通報しなかった家族や友人は、7年以下の懲役刑。また、同性愛者に住居を貸した家主も、同じく7年以下の懲役刑に処せられることになっているそうです。

以下、引用。


現在の形では、ウガンダのこの法では、性的にアクティブな同性愛者で、HIV陽性の者や、同性間レイプを起こした者には死刑が宣告される。「連続犯」もまた極刑に処せられ得るが、法の中にはこの語の定義がない。誰であれ同性愛で有罪となった者は終身刑になる可能性がある。
The Ugandan legislation in its current form would mandate a death sentence for active homosexuals living with HIV or in cases of same-sex rape. "Serial offenders" also could face capital punishment, but the legislation does not define the term. Anyone convicted of a homosexual act faces life imprisonment.


「他の者に対し同性愛行為を援助、教唆、勧告、周旋した」者はみな、有罪判決が下れば懲役7年の刑に処せられる。部屋や家を同性愛者に貸した家主もまた懲役7年となる可能性があり、この法への違反を「宗教的、政治的、経済的または社会的権威」に報告しない者は懲役3年となる。
Anyone who "aids, abets, counsels or procures another to engage of acts of homosexuality" faces seven years in prison if convicted. Landlords who rent rooms or homes to homosexuals also could get seven years and anyone with "religious, political, economic or social authority" who fails to report anyone violating the act faces three years.

アクティヴィストのDavid Cato氏はこれについて「可視性の問題です」「私たちがカムアウトして権利を要求すると、彼らは私たちに反対する法律を通過させるんです」と語っているとのこと。ちなみにCato氏はこれまで報道によって性的指向アウティングされ、教師の職を奪われ、2度逮捕され、4度暴力をふるわれたことがあるそうです。

この法案に対しては諸外国から批判が噴出しており、たとえばスウェーデンウガンダへの5000万ドルの開発援助費をカットする可能性を示唆しています*1。英国のゴードン・ブラウン首相は、ウガンダのYoweri Museveni大統領に直接反対の意を伝えて*2います。フランスからも非難されてますね*3。けれどもまったく廃案になる動きはなく、ウガンダではこの法案の評決に向けて討議の真っ最中だとのことです。

なお、Yoweri Museveni大統領は相変わらず「ヨーロッパの同性愛者がアフリカに同性愛を広めようとしている」「わが国には伝統的に同性愛者はほとんどいなかった」といういつもの寝言を繰り返している模様*4

なんだかもう、ため息しか出てきません。

「同性愛者は差別されていない」なんて呑気に言ってる日本人は、ウガンダに行って「ぼくはゲイです(または、『私はレズビアンです』)」って宣伝してまわるといいと思うよ。

単語・語句など

単語・語句 意味
abet 賛助する、扇動する、教唆する、幇助する
counsel 勧める
procure 周旋する