ロンドンの異性愛者カップル、シビル・パートナーシップ登録を断られ訴訟を起こす

ロンドンで異性愛カップルが、「シビル・パートナーシップ制度はゲイカップルだけのものである」という理由で同制度の利用を断られ、訴訟を起こすことに決めたというニュース。

フランスのPACSもワシントンDCのドメスティック・パートナーシップも異性カップルOKなのに、ロンドンのシビル・パートナーシップはヘテロカップル不可だったとは。初めて知りました。

このカップルはともに25歳のTom FreemanさんとKatherine Doyleさん。2009年11月24日、イズリントン区役所からふたりのシビル・パートナーシップ登録を不受理とする公的書簡を受け取ったとのこと。Freemanさんはこれを差別であるとし、


「結婚したくない異性愛カップルはたくさんいて、婚姻率は下がっています」
「民主主義の社会では、性的指向を問わず、すべての制度が全ての人に対して開かれているべきです」
"Plenty of straight couples don't want to get married and marriage rates are going down.
"In a democratic society, all institutions should be open to all people regardless of their sexuality.
と主張しているとのこと。

またDoyleさんは、自分たちは同性愛者と異性愛者で違うセレモニーを行うことに反対だから結婚はしたくないのだと述べ、性的指向を理由に法制度の利用を断られて悲しく思っていると語っているそうです。

ゲイの権利運動家ピーター・タチェル氏は、このカップルがパートナーシップ登録を拒否されたことについて、


「明かな差別行為です。同性愛者に対する差別が間違っているのと同じく、異性愛者への差別は間違っています」
"It's a clear act of discrimination. Just as it's wrong to discriminate against gay people, it's wrong to discriminate against heterosexual people.
と言っているそうです。

そもそもどうして異性愛者がシビル・パートナーシップ制度を利用してはいけないのかがわかりません。異性愛者なら即全員「結婚」という制度に大賛成だというわけではないし、パートナーとの関係を法的に保護する方法が性的指向によって一択に限定されてしまうというのは何か変。同性愛者が「あんたら同性愛者だから」とシビル・パートナーシップしか選ばせてもらえないのと同じくらい、異性愛者が「あんたら異性愛者だから」と結婚以外選ばせてもらえないのも変だと思います。

ちなみにイズリントンのスポークスマンは、


「法律ではシビル・パートナーシップは同性カップルだけのものと規定されています。自治体は法に従わねばならず、よってFreeman氏とDoyle氏のシビル・パートナーシップ申し込みを受理できずにいます」
"The law dictates that a civil partnership is only for couples of the same sex. The council must follow the law and so we have not been able to accept Mr Freeman and Ms Doyle's application for a civil partnership."

と発言しているとのこと。Freemanさんは、この件を欧州人権裁判所まで持ち込むことも辞さないと語っているとのことです。

単語・語句など

単語・語句 意味
institution 制度
counsil (地方)議会、参事会