「性器の写真を提出しなければ雇わない」→トランス女性、元雇用主を訴える

米国ペンシルバニア州のトランス女性Kate Lynn Blattさんが、務めていた会社を解雇され、再雇用の条件として性器の写真提出を求められたとして元雇用主を訴えたというニュース。

BlattさんはManpower Inc.という会社の工場で時給10ドルで働いていましたが、2007年、「職務遂行に必要な健康状態にない」と管理者から言われて解雇されました。その直後、再雇用を求めたBlattさんに対し、同社のIrene Kudziela支社長は、性別適合手術について外科医が証明した書状に性器の写真を添えて提出するよう要求したとのこと。その手紙と写真があればトイレや更衣室の問題が解決されるだろう、というのが支社長の言い分だったそうです。

Blattさんはこれを拒否し、即座にペンシルバニア州人間関係委員会に訴え出ました。「ジェンダーアイデンティティーと障害(性別違和)を理由として不当に解雇された」というのがBlattさんの主張です。

米国では雇用時の人種・年齢・性別・容姿などによる差別を防ぐため履歴書(resume)に顔写真すら貼らないことが多いと聞きますが、そんな国で雇用の条件として顔写真どころか生殖器の写真を要求するなんて、あまりにもむちゃくちゃだと思います。トランスフォビアだけでなく、セクハラの問題も混じってませんか、これ。それにそもそも「トランスであるかどうか」と「手術後であるかどうか」とは無関係でしょう。この企業が大真面目に写真を要求したのか、それともBlattさんにあくどい嫌がらせをして追い払うつもりだったのかは謎ですが、いずれにしろひどい話もあったものだと思います。

単語・語句など

単語・語句 意味
dysphoria 身体違和
comply 従う、応じる
promptly 即座に