同性カップルは病院でどう扱われているか?(その1) - オレゴンのゲイ男性、パートナーの病室から追い出される

米国オレゴン州の病院で、とあるゲイ男性が、危篤に陥ったドメスティック・パートナーの病室から追い出されてしまったというニュース。

この一件が起こったのはオレゴン健康科学大学付属病院。パートナーであるクリストファーさんに付き添っていたパトリックさんは、クリストファーさんの症状が悪化したとき、看護師から病室から出て行くよう命じられました。看護師の言い分は「生死に関わる決定事項をしなければならないから、友達は席を外してほしい」「友達を病室に入れておくわけにはいかない」だったとのこと。

しかし、パトリックさんとクリストファーさんは法的な登録を済ませたドメスティック・パートナーであり、オレゴン州の法律によって、病室に入る権利を保障されています。パトリックさんが依頼した弁護士が病院に電話をかけてから2時間半後、病院側はようやく彼を病室に入れたそうです。

幸いにもクリストファーさんの容態が持ち直したからよかったものの、そうでなかったら、パトリックさんはパートナーの最期を看取ることすらさせてもらえなかったことになります。オムニバス形式のレズビアン映画『ウーマンラブウーマン』の第1話がちょうどこんな感じのストーリーでしたが、あれは1961年の、ドメスティック・パートナー制度すらない時代の話。かたや、こちらは2009年の、法的にパートナーとして登録済みのカップルの現実。半世紀近くたっても、世の中はこんなもん。

ちなみにオレゴン健康科学大学は、「この一件は過失によるもので、病院は全てのカップルを歓迎している」と主張している模様。ならば、弁護士が電話してから病室に入れてもらえるまで2時間半もかかったのはなぜなんでしょう。そもそも法で権利が保障されているはずなのに、弁護士がいちいち電話しなければならなかったのはなぜなんでしょう。いくら法を整えても、現場がこれじゃ全然ダメじゃん。

……と思ったら、折しもニューヨーク・タイムズが、こうした同性パートナーへの不当な扱いについて特集記事を組んでました。別項を立てて紹介してみますので、以下のリンクからどうぞ。

単語・語句など

単語・語句 意味
Oregon Health & Science University オレゴン健康科学大学