レズビアン・パーティーから排除されたMTFレズビアン、訴えを起こすも敗訴
オーストラリアで3年前にレズビアンオンリーのパーティー(the Adelaide Hills party)から排除され、訴訟を起こしていたMTFレズビアンのTracie O'Keefeさんが敗訴したというニュース。
O'Keefeさんはいきなりパーティーに赴いて追い出されたわけではなく、このパーティーのチラシをもらった後で、一旦オーガナイザーに手紙を書いています。手紙の内容をざっと訳すとこんなです。
「私は35年間女性として生活しており、祖国イングランドでも、移民したオーストラリアでも法的に女性とみなされています」
「もともとは男子として育てられましたが、15歳のときから女性として生活しています。15歳はまだ法的に子供とみなされる年齢であり、ゆえに私は男性としても女性としても育てられたことになります。私はあなた方の主催されるイベントに、12年の長きにわたり交際している女性パートナーと一緒に参加したいと思っています」
でも、主催者は彼女の参加を拒絶しました。理由を要約すると、「このイベントは、生まれたときから女性として育てられたレズビアンで、特定の(specific)グループに出会いたいと考えている人限定のものだから」。裁判では、判事のうちふたりが「O'Keefeさんは差別待遇をされているが、このイベントは私的なパーティーであり、オーガナイザーの行為は合法」とし、ひとりだけが「この集まりは公的なもの」と主張したとのことです。
「レズビアン限定」のイベントを開催するときは、どうしてもこうした線引きの問題がつきまといます。どこかで線を引かなければ興味本位のヘテロ男性ですら入り込めてしまうことになりますし*1、その一方で、線引きをすれば、こうやって排除されるレズビアンも出てきてしまう。判事の意見が割れているのを見てもわかる通り、非常に難しい問題だと思います。最適解はどこにあるのでしょうか。
単語・語句など
単語・語句 | 意味 |
---|---|
throw out | (計画などを)考慮しない、忘れる;(法案・判決などを)否認[否決、拒絶]する、拒否する |
specific | ぴったりの、特定の意味[目的]を持った、特別の, clearly defined or identified |
affirmative action | 積極的差別撤廃措置、アファーマティヴ・アクション(差別を受けてきた少数民族や女性の雇用・高等教育などを積極的に推進すること) |
deem | …だと考える[思う]、みなす |