アルメニアとアゼルバイジャンの少年が主人公のゲイ小説、物議をかもす

アルメニア人とアゼルバイジャン人のふたりの少年の愛を描いたゲイ小説が物議をかもしているというニュース。著者はアゼルバイジャン人のAliekper Aliyevさんで、彼はこの小説を書いたことでアルメニアアゼルバイジャンの両方から脅迫を受けているそうです。で、このAliyevさんの発言が面白いんだ。


(訳注:脅迫を受けても怖くない、という話の中で)南カフカス地方の共和国は、未解決の殺人事件の数にかけては右に出るものがありませんからね。ライバルはアフリカと、南米の独裁主義国だけ。

先進国では、誰もこんな話題(訳注:同性愛小説の話題)では驚きません。でも、アゼルバイジャンアルメニアは隠れゲイの国なんです。どちらも伝統主義で、排他的で、保守的なんです。

私は戦争のロマンティシズムより同性愛のロマンティシズムを擁護します。二人の男が殺し合うのは受け入れられるのに、その二人が寝たら罪なんですか?

(訳注:アルメニアの新聞に載った記事について)記事の筆者は、アルメニアには同性愛はなく、そんな性的倒錯はアゼルバイジャンにだけ見られるものだ、と書いていました。こんな言説は、21世紀には何の意味もなさないものだと思います。
なんとも肝の太い人だと思いました。ちなみにこの小説"Artus and Zaur"のあらすじはこんな感じ。

アルメニア人のArtushとアゼルバイジャン人Zaur(ともに男子生徒)は、アゼルバイジャンの首都バクーで恋に落ちる。やがて両国の間に戦争が起こり、ArtushはZaurの元を離れて家族とともにアルメニアに移住。Zaurは街を歩き回り、Artushとの思い出の場所を訪れて過ごす。何年もたった後、ふたりは再開し、改めて恋が始まる。

既に英語とグルジア語とフランス語に翻訳されることが決定しているそうです。読んでみたい。

単語・語句など

単語・語句 意味
controversy (特に紙上での長引いた)論争、議論、論戦
romanticize ロマンチックに描く
latent 隠れている、見えない、表面に出ない、潜在的
banana republic バナナ共和国(果物輸出貿易や外貨への依存度が高く政治的に不安定な中南米などの小国)
dictatorial 独裁政権
regime 政権、政治体制、政体
incite (人を)そそのかして(良くないことへ)駆り立てる、あおる、扇動する
corruption 腐敗
bribery 賄賂行為(贈賄および収賄
feudal 封建的な
serum 血清
crude 天然のままの、加工していない、粗製の、精製していない
authoritarian 権威主義者、権威[独裁]主義の
backdrop 背景
puberty 思春期