『クローディア・シファー パーフェクトリー・フィット(上半身編)』レビュー
クローディア・シファー/パーフェクトリー・フィット(上半身編・下半身編)2枚組 クローディア・シファー 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2008-03-19 売り上げランキング : 236 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
元祖スーパーモデルのクローディア・シファーがトレーナーのキャシー・テイラーと共に開発した、ホームトレーニー向けの筋トレプログラムです。ネット上でわりと評判が良いようなので、試しに買ってみました。2枚組のDVDのうち、今日は上半身編だけのレビューです。なお、下半身編のレビューはこちら。
良かったところ
1. 部位とセット数を選んでオリジナルメニューが作れる
ビリー等と最も違う点がこれ。上半身全部通してやることもできるし、「肩だけ」「二の腕だけ」「上腹とウエストだけ」のように、鍛えたいところだけ選んで組み合わせることもできるので、忙しい人に親切だと思います。自分の体力に応じて、セット数が1〜3のうちから選べるところも便利です。ちなみにあたしは上半身全部ぶっ通しで3セットずつやってみましたが、所要時間は60分ほどでした。
2. それなりにキツい
トレーニングはほとんどがインターバル無しのスーパーセット(2種目を交互に行うセット)。短い時間で遅筋繊維を追い込んで、かなり激しいバーン(焼けつくような感覚)を得ることができます。腹筋種目にはジャイアント・セット(3種目以上を続けて行うセット)も採用されており、普段それなりに腹筋を鍛えているつもりの自分でも相当キツかったです。
3. ウォームアップが丁寧
時間をかけて丁寧に体じゅう温めていく感じで、怪我予防にはすごく良いと思います。
4. 飽きない
DVDにつられてつい頑張ってしまうので、途中で挫折しにくいです。ヘビーな筋トレをしたくない日に、軽めのダンベルで取り組むのによさそう。
今いちだったところ
1. 種目の順番がおかしい
筋トレの大原則は「大きい筋肉を先に。小さい筋肉はその後」です。ところがこのプログラムでは、肩や腕などの小さい筋肉をさんざん鍛えた後でようやく背中や胸などの大筋群の運動に移ります。これでは広背筋や大胸筋などの大きな(そして重要な)筋肉を充分に鍛えることは難しいと思います。
2. 背中の種目が貧弱
腹筋の種目はものすごく多いのに、下背部の種目はなんとゼロだったりします。また、大胸筋の種目は3種目あるのに対し、広背筋の種目はわずか1種目(しかも三角筋後部の種目のサブ効果的なものであって、広背筋メインではありません)。ぶっちゃけ、「鏡に映る部分ばっかり熱心に鍛えて、背中側をなおざりにしている」感は否めません。
このようなプログラム「だけ」を長期間続けると、身体の裏表の筋力バランスが崩れ、腰痛や肩こり、猫背などを招く恐れがあると思います。クローディアをメインに据えるのであれば、脊柱起立筋や広背筋の種目を自分で個別に行った方がいいでしょう。なお、それらの部位のおすすめ種目はこちら。
↑ピラティスの「スイミング」と呼ばれる種目です。下背部の強化にgood。
↑ダンベル・ベント・オーバー・ロウ。広背筋を鍛える種目です。
↑ワンアーム・ダンベル・ロウ。これも広背筋の種目。
※動画がみつからなかったのですが、スロトレのリアレイズや体幹グッドモーニングも効かせやすくておすすめです。
3. カウントが聞きとりづらい
英語音声・日本語音声とも、カウントが低い声でボソボソしゃべる感じで、非常に聞きとりづらいです。おまけに日本語の方は微妙に画面の動きとズレていたりもします。
4. 深部腹筋が鍛えにくい
腹筋種目は強度こそ高いのですが、腹直筋と腹斜筋の種目ばかりで、腹横筋や腸腰筋などの深部腹筋は鍛えにくいと思います。でも、お腹ぽっこりを解消/予防するにはまさにこれらの深部腹筋が重要なので、そのへんがちょっと物足りない感じ。