『あなたの話はなぜ「通じない」のか』(山田ズーニー、ちくま文庫)感想

あなたの話はなぜ「通じない」のかあなたの話はなぜ「通じない」のか
山田 ズーニー

筑摩書房 2006-12
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まだ買ってなかったところに文庫版が出たので、早速購入。コミュニケーションをテーマにしながらも、相手を言い負かすための技術ではなく、話を通じさせるための技術に重きを置いている点がユニークな本です。「相手が『理屈は正しいとわかった、しかし、あなたという人間は嫌いになった』では、通じたとはいえない。話が通じるとは、勝ち負けではなく、あなたと相手の間に橋を架けるようなものだ」(p12)というズーニーさんのお言葉は、普段、この「みやきち日記」で投げっぱなしジャーマンのような文章ばっかり書いている自分には正直耳が痛く、かつ、勉強になるものでした。

「想いが通じる5つの基礎」

ズーニーさんがこの本で説明している「想いが通じる5つの基礎」を自分なりにまとめると、次のようになります。

  1. 自分のメディア力を上げる
    • 「何を言うか」より「だれが言うか」が大事な時がある。
    • 話が通じるためには、自分というメディアの信頼性を高めていく必要がある。
  2. 相手にとっての意味を考える
    • 人は自分に関係ない、意味のない話は聞こうとしない。
    • 自分の話が相手にとってどんな意味を持つのかをしっかり押さえておくことが大切。
  3. 自分が一番言いたいことをはっきりさせる
    • 自分で考えて、決め、結果を引き受ける覚悟を持たなければ、通じ合うスタートラインにも立てない。
  4. 意見の理由を説明する
    • 言いたいことだけぶつけても、相手には伝わらない。
    • 自分に都合のいい理由だけでたたみかけてもだめ。
    • 理由を、自分側、相手側、あるいはもっと普遍的な角度から多角的に引いてくることが重要。
  5. 自分の根っこの想いにうそをつかない
    • 根本思想(その人の根っこにある想い・発言の動機)と言葉が一致しなければ、相手とのつながりは作れない。

少なくとも1、2、4がぜんぜんできてないよあたし。「ああもう誤解されてもいいや」とか思いながら文章書いてるし(=メディア力下げてる)、自分が言いたいことだけ書き殴ってるし(=読み手にとっての意味考えてない)、意見の理由は自分に都合のいいものばっかり引っ張ってきてるし……うわあ、ダメダメじゃん!! もっと精進せねばと思った次第です。