『反社会学講座』(パオロ・マッツァリーノ、イースト・プレス)感想
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- 平成2年には少年の9922人に1人が凶悪犯罪者だったが、昭和35年には1317人に1人だった。(「第2回 キレやすいのは誰だ」p30)
- 江戸時代、江戸の町人の3〜4割は日雇い仕事で、あまり仕事熱心ではなかった。(第6回 日本人は勤勉ではない」pp81-83)
- 幕末の武士は1日3時間しか働かなかった。明治維新後も、中央官庁の役人は明治19年まで1日3時間しか働かなかった。(「第6回 日本人は勤勉ではない」p84)
- 学力低下は昭和30年代に既に起こっていた。(「第7回 続・日本人は勤勉ではない」p092)
- 高度経済成長は「戦争特需・石油が安かった・軍事費がただだった」という3要素から起こったのであって、日本人の能力や勤勉さによるものではない。(「第7回 続・日本人は勤勉ではない」p94)
- 憲法に納税の義務が記されているのは、日本・韓国・中国くらいのもの。(「第8回 フリーターのおかげなのです」p106)
- メラビアンの法則(『コミュニケーションでは話の内容は7%しか伝わらず、見た目やしぐさや話し方が残りの93%を決定する』とするもの)は都市伝説にすぎない。(「第9回 ひきこもりのためのビジネスマナー講座」p112)
- じつはこどもがマンガを読んでいる時間は、本を読んでいる時間より少ない。(「第16回 それでも本を読みますか」pp219-220)
- テレビゲームでよく遊ぶ子は読書量も多く、ゲームをしない子と比べてとくに成績が悪いわけでもない。(「第16回 それでも本を読みますか」pp219-220)
- 「昔は大家族が多かった。今は核家族が増えたから問題が増えたのだ」というのは間違い。
この他にも面白いところはたくさんあるんですけど、全体を通じて、多くの人が根拠もなしに「なんとなく正しい」と思い込んでいそうなこと(たとえば、『最近の若者はキレやすくなった』『日本人は元来勤勉で優秀』『近年の核家族化は諸悪の根源』など)を単純な論理やデータ観察でことごとくひっくり返して見せているところが痛快です。WEB版のスタンダード 反社会学講座がお好きな方なら、買って損はない本だと思いました。
