『ピタゴラ装置DVDブック1』感想

NHK教育TVの番組『ピタゴラスイッチ』から、「ピタゴラ装置」のシーンばっかりあつめたDVDブックです。あの音楽と共に次から次へと全33種類もの「ピタゴラ装置」が動くところを見ているだけで幸せ。まるで猫じゃらしでじゃらされている猫のように、画面の動きから一瞬たりとも目が離せなくなってしまいます。ふだん番組中では明かされていない、装置ごとのタイトルがわかるのも嬉しいです。「装置No.40 象嵌」だの「装置No. 15 孫亀」だの、一見「はて?」と思っちゃうようなタイトルのものも、実際に動く映像を見ると一発で「おお!」と納得できるのが楽しいですね。
難を言うと、本の方がオサレな写真主体で解説の分量が少ないのが残念かな。ひとつの装置につき1〜3箇所ぐらいしか仕組みの説明がないので、あちこち「あの不思議な動きは何がどうなってるんだー!?」という疑問が残ったままで、物足りない感じです。もっとページを割いて仕掛けの種明かしをするとか、あるいはいっそDVDの方のメイキング映像を増やすとか(現在でも入ってないわけじゃないけど、少ないんです)、音声を切り替えるとコメンタリーが聞けるようにするとかしてくれるとさらによかったかも。
でも、慶応大学環境情報学部教授である佐藤雅彦氏による「あとがきにかえて」を読むと、「一体誰がどうやって作ってるの!?」という謎がかなり解けるので、そこはありがたかったですね。もともと「概念を伝える表現」というのが佐藤研の研究テーマであって、実は「10本アニメ」や「アルゴリズム体操」も佐藤研の考えたものであるとか、「ピタゴラ装置」は「装置合宿」でたいへんな数のテイクを重ねつつ作っているとか、そういうところがたいへん興味深かったです。2巻以降(出るんですよね?)も買いたいと思っています。