映画『X-MEN3』感想
最初に一言
これから観に行く人に、ネタバレなしの助言。
「明るくなるまで席を立つな」
これだけ。観ればわかります。
感想
すげえマンガ的なアクション映画なのに、「マイノリティの悲劇」というテーマががっちり生きていて、とてもよかったです。
印象的だったシーン
印象的だったシーンは2つ。まず、予告にも出てきた羽根の生えた青年の、少年期のエピソード。あのバスルームのシーンは、たくさんの同性愛者が思春期にくぐってきた心理的苦痛と同じだよなーと思いました。そう、ゲイやレズビアンだって、ああいうすさまじい苦痛に耐えて「みんな」と同化しようとするんだよ。誰も「その羽根は生えてていいんだ」なんて言ってくれないからさー。
次に、ハリネズミのように顔から針を生やせるアジア系ミュータントの青年のセリフで、"Do I look like I need your help?"*1ってところ。あれはもう、泣いたよ。「可哀想なマイノリティ」に対するマジョリティの「上から目線」に対して、全てのマイノリティはあれと同じ怒りを感じてると思います。
「治す」か「治さない」か
今回の話のカギとなる、ミュータント遺伝子を抑える物質「キュア」ってのが非常に面白かったです。というのも、何年か前にどこかで「もしも同性愛を『治して』ノンケになれる薬があったら使うか使わないか」っていう議論を読んだことがあって、それと同じような展開になってたから。ちなみに「ゲイを『治す』薬」の場合、やっぱり「使う」派も「使わない」派も両方いました。「使う」派は「結婚して家庭を作りたい」「親を安心させたい」「迫害されるのに疲れた」などを理由に挙げていて、「使わない」派は「同性愛は病気じゃない」「ゲイでなくなったら自分が自分でなくなる」って感じだったかな。あたしは「使わない」派だけど、実際にそういう薬が開発されたら無理矢理自分の子供に使おうとするクソヘテロの馬鹿親が巷にあふれそうですごく怖いです。なので、今回は、かなりマグニートー側に感情移入して観ましたよ。
*1:うろ覚えなんで、細部違ってたらごめんなさい。