映画『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』感想

つまんなかったです。映画版1〜3は全部見ていてどれも好きなんですが、この「ゴブレット」は「映画館で観る価値ない。ていうかDVDで見る価値もない。日曜洋画劇場で十分」としか思えませんでした。以下、ネタバレしない程度に箇条書きで感想を書きますが、「先入観なく映画を見たい」とお思いの方は読まない方がいいかもです。

  • 画面がアップばかりで単調。予算のないTVドラマみたい。
  • 最初の試練の特撮、全然怖くもなければワクワクもしなかった。コンテの切り方が凡庸なのかも。
  • クイディッチ・ワールドカップの描写、あれだけ? 本当にあれだけ? リタ・スキーター(リータ・スキーター? 日本語表記わからん)だの「嘆きのマートル」だののシーンをあんなにくどくど描かないで、クイディッチ・ワールドカップのシーンを1秒でも長くしてくれればよかったのに。
  • 長い話を無理やりあの長さに縮めたせいか、キャラの感情の変化に無理がありすぎ。「ここで怒ってくれないと話が進まないから仕方がないんですよ、へへへへへー」という創り手の卑屈な笑いが聞こえてきそう。
  • 同じく、展開も強引すぎ。「ここで○○してくれないと話が進まないから(略)」という創り手の(略)。
  • あの描き方じゃ、ホグワーツの生徒たちは全員頭空っぽの嫌なやつとしか思えん。最後にダンブルドアがハリーに言う台詞が空々しく聞こえちゃってしょうがなかった。
  • あのキャラはもっと最初からうさんくさく描いてほしかった……。
  • エゲレス英語は苦手なんでよくわからんのだが、ヴォルデモートの喋り方はRPじゃないの? だとしたら一人称が「おれ様」ってのはヘンだと思うんだけど。
  • 原作もそうなんだけど、やっぱりハリーが自分からは何もしないのがウザい。トーナメント出場者に選ばれたのも、罠にはめられるのも、危機を脱出するのも、いつも「誰かのせい」または「誰かのおかげ」で、基本的にハリーはおろおろしてるだけ。ここまで魅力のない主人公ってどうよ。

良かったと思うところもないわけじゃなくて、たとえばボーバトン校の女校長なんかは「巨人族とのハーフで、でも魅力的なおフランスのマッダーム」っていう感じがうまく出してあったと思うのね。すげえ不細工なキャラになってたらハグリッドが可哀想だと思ってハラハラしてたので、ここはほっとしました。

でも、後はなー。前3作には必ずあった、いい意味での「やられた!」ってところがひとつもなかったです。全体的に、エピソードを無理やり詰め込みすぎて消化不良を起こしているのが失敗の原因かと。もっと大胆にカットしてしまうか、上下作に分けるかしてくれればよかったのに。残念。