お前はマクベス夫人か? - 坂東眞砂子の子猫殺しについて(その1)

1. 「お前はマクベス夫人か」

問題となった「子猫殺し」を読んで最初に思ったのが、「お前はマクベス夫人か」でした。


マクベス夫人 私は赤ん坊を育てたことがあります、
自分の乳房を吸う赤ん坊がどんなにかわいいか知っています。でも私はほほえみかける赤ん坊の
やわらかい歯茎から私の乳首をもぎ離し、その脳味噌を
たたき出してみせましょう、さっきのあなたのようにいったんやると誓ったならば。
シェイクスピア全集『マクベス』第一幕第七場(ウィリアム=シェイクスピア小田島雄志訳、白水社
坂東眞砂子が子猫を崖から投げ捨てた時点。勇ましいですね。

マクベス夫人 消えておしまい、忌まわしいしみ! 消えろと言うのに!――一つ、二つ。さあ、いよいよやるべき時刻――なんて地獄は暗いんだろう!――なんです、あなた、なんですか! 軍人だというのに、恐れたりして! 誰が知ろうと恐れることがありまして? 私たちの権力をとがめるものがありまして?
(引用者中略)
マクベス夫人 まだ血の臭いがする。アラビアじゅうの香料をふりかけてもこの小さな手のいやな臭いは消えはしまい。ああ、ああ、ああ!
シェイクスピア全集『マクベス』第五幕第一場(ウィリアム=シェイクスピア小田島雄志訳、白水社
坂東眞砂子日経新聞に「子猫殺し」の一文を載せた時点。往生際が悪いですね。

マクダフ そうか、それなら降参しろ、卑怯もの。
生きながらえて世間に恥をさらすがいい。
きさまを珍獣怪獣よろしく見世物にし、
柱に絵看板をぶらさげ、こう書いてやる、
「ここに暴君あり」とな。
シェイクスピア全集『マクベス』第五幕第八場
↑ネットでバッシングが巻き起こった時点(今ここ)。

2. 坂東眞砂子の何がいけないのか

わざわざ進んで残虐な行為に手を染めておいて、後から錯乱して、つじつまが合わないたわごとを垂れ流しているところ。迷惑だよ、そんなもん聞きたくないよ。第一、作家のくせに、人間というものに対する洞察力が足りなさすぎるよ!