書籍

『あなたの話はなぜ「通じない」のか』(山田ズーニー、ちくま文庫)感想

あなたの話はなぜ「通じない」のか山田 ズーニー 筑摩書房 2006-12売り上げランキング : 2646Amazonで詳しく見る by G-Toolsまだ買ってなかったところに文庫版が出たので、早速購入。コミュニケーションをテーマにしながらも、相手を言い負かすための技術で…

『反社会学講座』(パオロ・マッツァリーノ、イースト・プレス)感想

反社会学講座パオロ・マッツァリーノ イースト・プレス 2004-06-20売り上げランキング : 18718Amazonで詳しく見る by G-Toolsネット上で公開されているスタンダード 反社会学講座の第1回〜第19回の内容に加筆修正したものに、さらにネット未公開の2本を追加…

カバ方式の合理性

動物に愛はあるか〈1〉死を悼むゾウ、盲目の仲間を導くネズミモーリス バートン Maurice Burton 垂水 雄二 早川書房 2006-06売り上げランキング : 41297Amazonで詳しく見る by G-Tools2巻も含めて読了。すこし古い研究からの引用が多いけれど、面白いノンフ…

『ピタゴラ装置DVDブック1』感想

ピタゴラ装置DVDブック1ピタゴラ装置 ポニーキャニオン 2006-12-01売り上げランキング : 3Amazonで詳しく見る by G-ToolsNHK教育TVの番組『ピタゴラスイッチ』から、「ピタゴラ装置」のシーンばっかりあつめたDVDブックです。あの音楽と共に次から次へと全33…

「優雅に生きることが最良の復讐である」

以下、『「ひとつ、村上さんでやってみるか」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶつける490の質問に村上さんはちゃんと答えられるのか?』(村上春樹、朝日新聞社)p52からの引用です。p52"> 優雅に生きることが最良の復讐である、ということわざがスペイ…

「愛」よりも「好意」が大切

たまたま読んでた2冊の本の内容が微妙にリンクしてたんで、メモ。片方はノンフィクション、片方は小説なんだけど、どちらも以前から「愛だの恋だのって大騒ぎするより、猫みたいにただ好きな人になついてだらだら過ごしてる方がマシ」と思ってるあたしにはと…

「書かなかったこと」にも、その人らしさは現れる(『教えることの復権』感想)

教えることの復権大村 はま 苅谷 夏子 苅谷 剛彦 筑摩書房 2003-03売り上げランキング : 47843おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Toolsこれは、「大村はま」という優れた国語教師の教育実践を軸にして「教えるということ」を考え直す本。中学時代にはま…

「アメリカにはいじめはない」なんて信じ込んでる人がたまにいるようですが

そういう人って、スティーヴン・キングの『キャリー』を読んだことがないんでしょうか?キャリー (新潮文庫)スティーヴン・キング新潮社 1985-01売り上げランキング : 160047Amazonで詳しく見る by G-Toolsいや、映画の方でもいいんですけど。キャリー (特別…

ハンディのある側からの「笑い」の逆襲

何がおかしい―笑いの評論とコント・対談集中島 らも 白夜書房 2006-08売り上げランキング : 237Amazonで詳しく見る by G-Tools「笑い」についての評論「笑う門には」の、このあたり(p52)が特に興味深かったです。 ハンディキャップを笑う笑いはイージーだ…

ジョン・ウェインより、むしろクリスティーナ・リッチに拍手を

以下、『北極海へ―あめんぼ号マッケンジーを下る』(野田知佑、文藝春秋)p157からの引用。文中の「ルイズ」は、カナダのノーマン・ウェルズ在住のインディアン女性です。ルイズは昔、初めて町で西部劇を観たことのことを忘れられない。 「あれは確か、ジョ…

「あなたたちは人間だってことなの。だったら、ほかの人たちに人間でないことを期待するのはやめなさい」

以下は『ルアン先生にはさからうな』(ルアン・ジョンソン、酒井洋子訳、ハヤカワ文庫)pp305-306からの引用。底辺校の英語教師ルアン先生が黒人とヒスパニックの生徒たちに向かって叫ぶ台詞。おもに人種差別の話だけど、他のあらゆる不公平や抑圧にも通じる…

別に「人間として」以外で愛してたっていいじゃん

「リベラルなつもりで実はホモフォビックな漫画表現について」というエントリで、同性愛に対していちいち「『人間として』愛してるんだから構わない」みたいな言い訳をくっつけたがるのは同性愛嫌悪的だ、ってな話をしました。その続き。 1. 「人間として」…

『嫌われ松子の一年』(中谷美紀、ぴあ)感想

嫌われ松子の一年中谷 美紀 ぴあ 2006-05-10売り上げランキング : 2213Amazonで詳しく見る by G-Tools中谷美紀による、映画『嫌われ松子の一生』撮影日記です。前から買ってあったのですが、映画を観終わったので、ようやく読むことができました。面白くて深…

『しいちゃん日記』(群ようこ、マガジンハウス)

しいちゃん日記群 ようこ マガジンハウス 2006-04-20売り上げランキング : 74173Amazonで詳しく見る by G-Tools群さんと愛猫「しいちゃん」や隣の老猫「ビーちゃん」たちとの交流をつづったエッセイ。ビーちゃんのボケっぷりと周囲の人たちの反応がとてもお…

特定の個人に向けて書くものは強い、ということ - 『17歳は2回くる - おとなの小論文教室。III』(山田ズーニー、河出書房新社)の感想

17歳は2回くる おとなの小論文教室。山田 ズーニー Amazonで詳しく見る by G-Tools 特定の個人に向けて書くものは強い、という話。 第2章のコラム、「プライベートメール」「殺菌される表現」「汚しのある表現」の3本がとてもおもしろかったです。この一連の…

伝わるもんなんだなあ

理解という名の愛がほしい - おとなの小論文教室。II山田 ズーニー Amazonで詳しく見る by G-Toolsこないだの日記に書いた『伝わる・揺さぶる!文章を書く』(山田ズーニー、PHP新書)であたしがいちばん感動したのは、最後の最後の部分です。本をひととおり…

『伝わる・揺さぶる! 文章を書く』(山田ズーニー、PHP新書)

伝わる・揺さぶる!文章を書く山田 ズーニー おすすめ平均 やさしさに満ちた実践小論文の手ほどき相手を動かす文章を書くための心構えメールが書けない人に出会えてよかった揺さぶる×3Amazonで詳しく見る by G-Toolsまずこの本を読んだ自分自身が、山田ズー…

『誰が摂食障害をつくるのか』

誰が摂食障害をつくるのか―女性の身体イメージとからだビジネスシャーリーン ヘス=バイバー Sharlene Hesse‐Biber 宇田川 拓雄 新曜社 2005-04売り上げランキング : 275,847Amazonで詳しく見る by G-Tools「インフルエンザにかかったあるメンバーは、文字ど…

投影同一化(『「ニート」って言うな!』より)

ろくでもない男にくっついて、文句ばっかり言いつつも別れずにズルズルつきあい続ける女っているじゃないですか。なんかもう悲劇のヒロインになりきって愚痴とか悪口とかをずーっと言い続け、周囲に「別れれば?」と言われてもあれこれ理由をつけてなかなか…

『「ニート」って言うな!』の、ニート問題以外でも興味深かったところ

下のエントリであげた『「ニート」って言うな!』ですが、内藤朝雄氏による第2部 「『構造』 - 社会の憎悪のメカニズム』が非常に面白かったです。「ニート」言説のみならず、同性愛嫌悪がなぜ起こるのか考えるのにも役立つと思いました。例えばこのへん(p1…

『「ニート」って言うな!』

「ニート」って言うな!本田 由紀 内藤 朝雄 後藤 和智 光文社 2006-01-17売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Toolsいや、痛快痛快。「ニート」という言葉を「ひきこもり」とか「甘えた若者」とか、果ては「道徳の欠如した怠け者全般」とかとごっ…

『わかったつもり』

わかったつもり 読解力がつかない本当の原因西林 克彦 光文社 2005-09-20売り上げランキング : 3,093Amazonで詳しく見る by G-Tools認知心理学の本です。最近読んだ本の中では一番のヒット。仕事(塾講師)に役立つかなと思って買ったのですが、自分の本の読…

どうせ買うなら

『女同士のSEXマニュアル』って本をAmazonで見つけたんだけど、「出版社からのコメント」と「目次」がどうにもうさんくさいですねコレ。(以下、Amazonより引用) 出版社からのコメント レズじゃなくても女の子同士のHはこんなに楽しい! 男には真似できない…

『ご新規熱血ポンちゃん』

買ったまま読まずにおいてあった『ご新規熱血ポンちゃん』をようやく読みました。そこらじゅうで共感しまくりで、やっぱり山田詠美はいいなあと思いました。特に印象に残ったのが、p124のこのフレーズ。なんで、そんなに皆、人と出会いたいんだろう。合コン…

はてなダイアリーガイドブック

はてなダイアリーガイドブック―ウェブログでつながる新しいコミュニティ作者: 水野貴明,はてな出版社/メーカー: 毎日コミュニケーションズ発売日: 2004/05メディア: 単行本購入: 29人 クリック: 1,226回この商品を含むブログ (412件) を見るはてなのヘルプは…

はてなの本

はてなの本 (NT2X)作者: 田口和裕,松永英明,上ノ郷谷太一出版社/メーカー: 翔泳社発売日: 2004/09/09メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 30人 クリック: 1,223回この商品を含むブログ (460件) を見るコメントオフ・トラックバック無しのヒキコモリ日記に…